2007年12月05日

佐藤優「知の技法 出世の作法」

最近、直近の記憶力が衰えておると思われる方が多くなっていると思います。私もこんな風に適当にブログを書いているのですが、一番の宝は自分の文章ですから忘れてしまった事を「日記」風に見直すことができることです。

そうは言っても記憶力を強くしたいとの思いは、何時も考えています。この様なことを考えていたとき先日もご紹介しました「週間東洋経済」にあの佐藤優氏の連載がありました。

私も、何時だったか忘れましたが、佐藤氏が『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』を書いたことをこのブログで紹介しました。そのとき同氏が、取調べの検察官とのやり取りを詳細に再現しており、「ここまで詳細に記憶することができなければ『スパイ』はできないのか」と大変な衝撃を受けたのです。

その佐藤氏が、東洋経済に「知の技法 出世の作法」を連載しているのでした。私の手許には第23回からありますので、若干ご紹介します。本物の「直近記憶喪失」の方には効果はないでしょうが、未だその境地に達していない人は、今すぐ実践が必要でしょう。

22回で(今、手許にない)人脈構築のための会食の方法(確か、さりげなく高給なレストランを使用するような話でした)を話したあと、23回では「歴史や寓話を引用して相手の本音を導き出す」、24回は「大切な会話の中身を忘れないための工夫」、25回「アルコールは情報収集の強力な武器になる」、26回「会話を“映像化”して記憶に結びつける」27回「耳の力を鍛えれば記憶力は向上する」、28回(12/8)「会社という組織には左翼と右翼が混在する」と続いています。(28回からは会社内での人脈構築ですので以下略)

人脈を作るため会食し、相手の本音を聞きだしこれを記憶にとどめる。という流れの連載ですが、概略します。
まず、23回「歴史や寓話」では、92年モスクワの外交官や情報専門家の間でエリツィンとルツコイの関係がどうなるか関心が集中していたとき、政府要人に「ルツコイがエリツィンを裏切るか」と直球の問いかけでは本音が聞けないので、猜疑心の強いエリツィンとルツコイ副大統領の関係を聞き出すのに、まず織田信長と秀吉、光秀の話をしてから、「ルツコイは秀吉か光秀か」と聞いたところ、政府要人の8割が「光秀」と答えた。

翌年の93年10月ルツコイは正面からエリツィンと対峙し、ホワイトハウスに篭城しエリツィンは戦車の大砲を打ち込んでルツコイたちを逮捕したそうです。情報がピンポンです。

もう一つ重要な情報としてプーチンの政権が長期政権になりそうであるとの情報も『カラマーゾフ兄弟』の話をしながらとったと説明しています。最近ロシアでは与党が大勝し、プーチンは後継者を指名し、以後プーチンの長期政権が現実のものになりました。これもピンポンです。

佐藤氏はこの様にしてとった情報を東京に送っていたのですね。もっともこの情報をわが国政府要人が生かしきっていたか、疑問も残りますが・・バリの環境会議で日本は「化石賞」を戴きましたが、世界のNPOの情報が取れていないようです。

24回では、外交の世界で「多忙につき、貴官とはお会いできない」との返事が来たときは、その後はどんなに頑張っても、面会が実現することはないそうです。

社会人は誰しも「多忙」なのである。その中から時間を捻出して面会や会食の時間を作るのが「約束」だそうです。ですから「多忙である」という理由で断ってくるのは「あなたと合う時間はない。」という意味である・・が日本語を理解するロシア人やアメリカ人から「最近の日本のビジネスマンは『忙しい』『疲れた』を頻繁に使い、とても違和感があるといわれてそうです。

私も「忙しい」という言葉を特に意識したことはなかったのですが、よく知り合いから「弁護士と議員で、お忙しいですか」と聞かれるたびに「いやー、たいして忙しくない。自分の意思でやっているから嫌だったらやめれば良い」などと、答えていましたので、その答えは一応「正解」だったのですね。

25回「アルコール・・」では面白いのが、ロシア風の「男と男の約束」は、最後に互いに相手のパンツの中に手を入れ、シンボルを握り合って誓うことだそうです。まだ一度も男と男の約束はしたことがないですね。やぁー驚きました。

26回は冒頭に書いた東京拘置所での検察官とのやり取りを説明しています。相手方との会話の最中の様々な動作と共に映像として記憶に結びつけるのが効果的ということです。

27回は「絶対に覚えておかなくてはならない」と自己暗示をかけ、音を聞きながらテキストを読むと記憶力強化に効果がある、そのとき自ら理解していないことは記憶できないから、音を活用して記憶するにしても読書によって教養の水準を向上させておくことが、メモを取らない記憶術に重要との事です。

28回は、北方領土の戦略について触れていますので、興味ある方はどうぞ。リクエストがあればこのブログでご紹介します・・・メールはito@yasukane.jpです。

posted by やすかね at 19:05| 千葉 ☀| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする