2025年05月27日

人はなぜ戦うか

 人はなぜ戦うか?答えは単純です。
生物としての自己保存、種の保存です。生命には時間に限りがあります。そこで、常に自己のDNAを保存するため異性の獲得がまさに生存の根拠です。これをあからさまに人類を例に取り論じますとエゲツナイことになります。オスはメスを求め、それぞれ自己のDNAが保存される確率を高めようとすれば、メスは強いオス(現代では金を稼げる男)と交尾して自己と生まれて来る子供の生存を交尾したオスに託すしかありません。オスは、沢山のメスと交尾することが自らのDNAを高い確率で残すことができます。結論とすれば「オスは浮気者」でしかありません。ここまでは酒の席での話です。

次なる生物が生存に必要なことは、アユで言えば苔の生えている岩場の確保です。比較的小柄なアユが自己の縄張りを確保したとしましょう。小柄なアユはこの縄張りを奪われることは生命を失うこととなります。この縄張りを別のアユが奪おうとすると必ず戦いとなりますが、小さなアユは命がけの戦いをすることになります。この戦いで仮に力の強い大きなアユが見事縄張りを奪い取ったとしても、命がけの戦いを制した大柄なアユも全くの無傷ではないでしょう。

とすれば、大柄のアユが縄張りを奪ったとしても、手負いとなれば別のアユとの戦いでは必ず負けてしまうでしょう。縄張り争いを始める前にこの結論が見えていればこそ比較的大柄なアユも縄張りを先に確保している小柄なアユの縄張りにちょっかいを出したとしても応戦されれば簡単に引き下がります。人間のルールで言いますと「無主物先占」です。

このアユの縄張り争いを一般化して人類に置き換えますとどうなるでしょう。人類は土地がなくては生きて行けません。遥か昔国家というものが出来上がり、他国との領土争いは、数十万年か数百万年か分かりませんが、21世紀の現代でも続いています。「ローマの休日」という映画がありましたが、数千年前のローマ市民の休日は、あのコロシアムの中で繰り広げられた戦いの観戦でした。

先日コロシアムの近くで発掘された人間の骨盤にライオンに噛まれた跡があると報道されていました。そうです。槍をもった人間とライオンなどの猛獣との戦いで腰骨に食いつかれた人間をライオンが引きづり殺したのでしょう。この戦いをローマの市民が休日に観戦したのは「ローマの休日」の実体でした。

テレビでは骨盤の噛まれた跡しか報道されませんでしたが、ローマの休日でのメーンイベントは多分人間と猛獣との戦いでしたでしょうが、その前座では人間と人間との命がけの戦いがトーナメント方式で行われ、その全てが賭けの対象だったと思っています。
命がけで戦う「戦士」となる者がいるはずもありませんが、戦士はすべて領土の獲得戦争で敗れた国家の捕虜が奴隷(さすが現代ではハーグ条約?などで捕虜に対する虐待は禁止されています)となり、ローマ市民の楽しみのために戦って散っていったことでしょう。

またローマ帝国の様な大きな帝国になれば、数百年間の平和があったとすれば、戦士となる奴隷は恐らく減少してしまうでしょうから「再生産」即ち、奴隷の男女を結婚させて子供を産ませ、将来のローマ市民の楽しみのために幼少から戦士として訓練していったと思います。

21世紀の現代ではすべての国家が「独立」していると想定され、全ての独立国家は戦争(どうとでも理屈のつく「防衛戦争」に限る)をする権利が国際的に認められています。しかし、隣国との力関係を考えればすべての国家が常に「独立国家」とは言えないでしょう。強国は比較的弱い隣国が将来敵国になる危険を感ずれば、その国が自国と敵対する軍事同盟に入ることは絶対ゆるせません。今のロシアとウクライナの戦争の根本原因です。ウクライナのNTO加盟が阻止されなければこの戦争は終わりません。

イスラエルは、イスラエルの地上からの抹殺を主張するイランの支援で、元来イスラエルの支援なくして生存できなかったゴザの武装勢力(市民を人間の盾としている)が奇襲攻撃を仕掛けイスラエル人などを人質としたことが今回の紛争の原因でしょう。ゴザでは空のフライパンをもった子供たちが食べ物をくれと群がる映像を流しながらライスラエルの非難を繰り返していますが、国家の威信をかけたイスラエルは人質が解放されれば戦う理由がなくなりますから一日も早くすべての人質解放がなされるべきです。しかし長引く紛争からイスラエルが「テロリストの撲滅」を戦いの目的にしてしまうと、平和は遠くなるでしょう。

人類が憎しみをなくして平和を実現しなければ文化の発展もありません。徳川260年の平和と戦後80年の平和を満喫できている時代でしか、文化は発展しません。日本の浮世絵と漫画が世界の平和に貴重なものとなっている時代を過ごすことのできた元禄人と団塊の世代は幸運です。感謝・感謝ありがとうございます。『飲水思源』(文芸社)ご購読お願します。

posted by やすかね at 17:12| 千葉 ☁| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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