大変長らくご無沙汰いたしておりました。新春1月15日発売予定の『飲水思源」を文芸社から出版し、定価(本体1,400+税)で発売することとなりました。暫くは全国の書店の店頭に並びますが、その後はどうなるやら分かりません。
副題は「世界と日本を原理原則から考える」として個人の自由を起点に人類の長い歴史のなかで、いつ国家が成立し、この成立した国家の性格が歴史的にどのように変化してきたか、地球温暖化、海洋汚染、人口爆発の影でフードロスも拡大し、また我が国などでの少子高齢化が進行するなど人類滅亡の可能性すら否定できない切迫した状況のなかで地球が喘いでいます。
今の世界と社会を支える二本柱、資本主義と民主主義が過去から未来に向けて織りなすらせん構造として、地球の将来を決定づけるでしょうが、その根本に流れる考え方、思想とそこから発生した解決困難な格差・矛盾を解決できる方策があるか、多くの先人の業績を切り貼りしながら多少自らの考えを述べさせていただきました。
特に明治維新に始まる日本が列強の帝国主義に仲間入りしたものの多大な犠牲を払い国家を破綻させながら、そこから這い上がり今では世界に発信できる「平和国家ニッポン」を多くの国民が実感しています。
然しながら、ここに至るまでの我が国の指導者(国民)の大きな過ちと、未だにこれを完全には克服できていない日本が何らの代償もなく「戦後80年の平和を満喫」できていると考えてよいものでしょうか。石破総理は総裁選挙で沖縄を訪れた際「日米地位協定」に触れることがありましたが、国土面積の1%弱の沖縄に80年近く日本が何も言えない強大な米軍基地が存在し、首都東京の上空でも日本の飛行機が自由に飛ぶここができない状況が続いている現実を日本国民の何割が知っているのでしょうか。
150年前、カントは「平和は自然状態ではない」との命題を残していますが、21世紀に生きる我々はカントの言葉の意味を具体的に明らかにできないまま、今後さらに20年経過すれば、イギリスによる99年間の植民地占領が終わった香港より長い間、米軍は日本列島(香港の350倍を超える面積)のどこにでも基地を置くことのできる権利(日本の義務)が存在することとなります。我が国家破綻の具体的意味を100年近くの間、大多数の国民が未だ理解できていない現実は何とも残念です。
『飲水思源』の出版にあたり、校正前の生原稿を作家・元外務省主任分析官佐藤優先生に一方的にお送りしたところ、早速身に余るお褒めの言葉で推薦文をいただきました。帯に書かれることになるご推薦の全文をご紹介します。
【人生と仕事に本気で取り組んできた法律実務家が、日本と世界の過去と現在の英智からわれわれが生き残るための指針を示した渾身の作品。日本人と他の民族の間に通底する共通原理を探ろうとする、著者の誠実さと憂国の思いが伝わってくる。是非手にしてほしい一冊。】
2024年11月13日
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