彼女「バッチがついているよ。」と言っても全く納得しないので、次に写真入りの身分証明書が必要なのか、このままでは、駆け出しのころ、大金を出して特注した18金のバッチが使えなくなりそうで、焦りました。何しろ、検察官に取り次いでもらわないことには仕事ができません。
これまでも鑑別所とか拘置所でも、携帯電話をロッカーに入れろ、などと疑いをかけられても、その度に弁護士の職責・倫理の原理原則を論じ、お役人と対決してきました。
個人的には、ハイハイ解かりました、と従えば楽ですがね、性分なのですね。どうも治りません。
ぎょっとして「弁護士バッチの意味を知っているの」と質問すると『ハイ、わかります」と言いますので、「じゃあ言ってみて」、『・・・』、『・・・・』と沈黙です。
やむなく、上司に向かって「ちゃんと指導しているの」と多少語気を強くすると、男性の上司『すみません。』を繰り返すのですが、若い事務官は、納得しないようです。その内年配の女性も「すみません。先月の採用なので」
そこで、若い検察事務官を外部の人間が指導することになったわけです。内部の上司が下手に指導するとパワハラなどと言われますので、今の世、上司の指導が難しいのです。
バッチの裏には登録番号があり、検察庁でも裁判所でもこれで本人確認ができるのですが、何十年もこの様な手続きは取られもせず、バッチだけで本人と認められていたのです。
最後に「あなた若くて美人だから、良い事務官になれるよ、頑張って」などとおべんちゃらを言って、事務所に戻りました。
事務所で今日の出来事を話すと『ご本人ですか』と質問されて『ハイそうです。』と言えばそれで済んだのではないですかと意見されました。そうですよね。若い事務官がそんなに深く考えてもいませんよね。
ひょっとして、若い事務官だったから絡んでしまったのかな。トホホ