そこで、久しぶりに延々と話し始めました。要するに、あんたは子供の頃から、親から我慢ということを教えてもらってこなかったことだ、今となっては、手遅れではあるが、まだ数十年生きてゆかなければならないのだから、社会の中で自分の居場所を探せ、仕事がないなら雪国で困っているお年寄りのところにでも行って雪かきでも、お買い物のお手伝いでもボランティアでやることで、人様から感謝されることの喜びとかを感じ、人の信用を得る努力をしたほうがよい、信用を得ることは大変なことであるが、小さな嘘でもつけば直ちに信用されなくなるから、失う事は簡単である。
などと締めくくり、何度も面会には来ないが、今話したことを思い返して、今後どうやって生きてゆくかじっくりと考えるように、と言って帰ってきました。
ところが、翌日になると朝から接見要望です。これを無視して留置管理課の警察官にも被疑者に反省しろと伝えてあるので、それを文章にまとめて送るようにと伝えてほしいとお願いしたものの、以後連日の接見要望です。
しょうがないから、明日の土曜日に再度の接見を予定し、接見に行く前に被害者に電話したところ、既に被害届は取下げ(提出を訂正)済みとのことでした。
これで、接見前に検事と交渉する必要が生じていますから、早速、事件が継続している警察(勾留先と異なる警察)に電話して、担当する班長の名前と担当検察官の名前を教えてほしいと言ったところ、このウイという警察官、ナンと言ったと思います。
上から目線で「こちらにお出でになれば、教えます。」この一言で、ぶっちぎれました。今まで警察に行って担当検事の名前を聞いたことなどありませんから「何、弁護士の名前だけでは確認が取れない!冗談じゃない、弁護士会に電話しろ!法テラスだって弁護人の名前など確認できるだろうが」と怒鳴りつけても埒が明きません。
「しょうがないな、課長に代わってくれ。」と続けると、ウイさんしばらく課長に言い訳をした後、課長が電話に出たので、真っ先に「今、ウイさんの話を聞いたでしょうが、警察官が最初に被害者の話を聞き、それを基準にして被疑者に尋問するのは、やり方が間違っているぞ、ともかく担当班長と検事の名前を教えられないのか。上から目線で話をするから、こっちは喧嘩腰で話しているんだ、こんな詰らない事で、県警本部になど電話できないが、名前を教えられないなら、ご迷惑だが県警に電話するしかない」と詰め寄ると、「弁護士さんの連絡先をと名前を教えてくれ。検討して後ほど連絡する。」「名前は、さっきフルネームで伝えてあるが、しょうがないから言うよ。何分後に電話をくれるのか。」と電話を切りました。
課長からの電話を待っている間に、検察庁に電話して、窃盗で〇〇警察署扱いの検察官の名前を教えてもらい、名前が判明したので、立会い事務官に電話をつないでもらい、「〇〇の件で検事さんと5分ほど話をしたい。」と言うと「今取調べ中ですが」というものの担当検事が電話口に出たので、「事件の処分は検察官にあるが、この事件被害届が取下げされたと聞いている。詰まらない事件を・・」と言うと「今日釈放の予定です。」とのことです。取り急ぎ、今度は身柄のある警察の留置管理課に架電し、「被疑者に、本日釈放予定とお伝え下さい。」と言うやいなや「今日釈放されました。」とのことでした。
この間、約20分、最初の警察官の電話対応に教育的効果があったか否かはともかくとして、明日の接見は、回避されました。やれやれ、電話口での対応は、耳が研ぎ澄まされますから、相手の感情が手に取るように伝わりますね。しかし、課長との話の中で、何かのフレーズで、二人して大笑いしたことが印象的でした。相当きついことを言っても、会話の中で笑いが取れていれば、禍根を残す事はないから安心です。多少切れても、冷静さが残っていれば、どこかで笑いが取れます。今後もこの調子で頑張りましょう。See you later.
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