以下は、例年顧問先・友人・同業者などにお送りしている今年の年賀状です。年に一度のご挨拶ですので、毎年欠かさず、書いています。義母が92歳で亡くなったときも、命に限りある人間の人生を振り帰れば、92歳は天寿を全うしたと言う意味で「ありがとう。お疲れ様でした。」ですし、またどこかの国王が亡くなった訳でも有りませんから、一年も喪に服すこともありませんから、その時は、近くの神社でお祓いをして、新年のご挨拶を書き続けています。まぁ、郵便局の回し者のようにと、お思いでしょうが、年賀状は一定の年齢まで毎年書くべきと考えております。
というわけですので、一生懸命書いた念頭の所感です。ハガキには、字数に制限があり、分かり難い点も有りますので、自慢も含め、最後に解説をさせていただきます。
「明けましておめでとうございます。
お正月は、橙・シダ・ユズリハを飾り、子々孫々の繁栄を願います。
ところが現実は、億兆の資産家との格差が拡大し、将来が不安です。江戸中期、田沼意次の賄賂政治が非難されました。コメ中心の経済から商品経済の発展に税制が追いつかず、富裕商人から賄賂・冥加金を「上納」させた田沼が、私心なく賄賂を社会に還元したなら、善政と評価されたでしょう。
現代もIT産業から巨万の富を持つ資産家が生まれ、過大評価された不労所得に適切な課税を施し、格差解消に向け教育費を無償とすれば、政治家の名が歴史に刻まれましょうが、友人の獣医学部に忖度していては、田沼以下の悪政でしょう。
サウジの富裕な賄賂王子が逮捕されましたが、現在、格差は世界的に「悪」として認識され、資産家も危機感を持っています。そこでビルゲイツは、富裕層へのテロの脅威から、奨学金などの社会奉仕活動に熱心です。
「楽しみは、妻子(めこ)睦まじくうち集い、頭並べて物を食うとき」と古の歌人(『独楽吟』橘曙賢)が詠ったようですが、ご家族の団欒が代々次第に譲られことをお祈りします。
2018年元旦
〒260-0013 千葉市中央区中央四丁目10番8 904
やすかね法律事務所(電話043-222-4680)弁護士 伊 藤 安 兼」
お正月の飾りに、昔から縁起を担ぎ、家長制ではありませんが、一家が「ダイダイ・シダイに譲」られ、子々孫々にDNAがつながることがお目出度いということで、我が家でも昔は、飾ったのです。
しかし、この時代地球的規模で格差拡大が悪とみなされて、その原因は教育にあると考えられております。お金持ちは、ご幼少から大学教授の家庭教師をつけるなどして、有名大学から親の会社に入り、普通は代々次第に譲られるはずですね。
政治の世界を見ても昔から、支配者と被支配者の生活レベルは、極端に違っています。時の権力者は、豪奢な生活を送ってきましたが、権力者の「集金制度」(税制)が社会経済の発展に追いつけないときは、権力者は資産家から「賄賂」を集め、「望月の欠ける」こともない贅沢三昧をして来ました。田沼意次は賄賂政治家と言われているようですが、一部の歴史家からは、賄賂を税金のように集め、社会に還元したのではないか、と評価されているようです。
そこで、何故賄賂を集めるしか手がなかったのかと言えば、それは、時の税制がしっかりとしたルールを確定できなかったからと気がつきました。現代でも企業に課税をする時は、企業会計原則に従って課税をするのですが、例えば「株式の譲渡益」に対する課税を考えても、優良企業の創業者が最初に一人で持っていた株式を分割しながら市場に公開するとき、莫大な創業者利得が発生します。今のアメリカなどの巨額の資産家は、概ねこの様な資本主義社会での「利益」の集積が巨額の資産となっています。
我が国では、楽天の三木谷など、巨額の資産を一代で築いていますが、彼は、本人が優秀でしょうから、奨学金などで教育を受け、さらに政府系のような銀行から国費でアメリカに留学などしてから、現在の資産を築いたのではないでしょうか。楽天の社内では公用語を英語としていますが、これなど今半植民地の日本を近い将来、アメリカの植民地、ハワイに次いで52番目の州にするつもりかも分かりません。
その様な思いから、いくら優秀とはいえ、一代で数千億円もの資産形成ができる事は「過大評価」でしょう。ですから、「過大評価された不労所得」に適切な課税をすべきと考えているのです。
政治家が歴史の中で評価されるのは、様々な美化を含め、悪行をそぎ落とされて名を残すとは思いますが、安倍さんは、果たしてアメリカの手先か、それとも安政の不平等条約よりもさらに不平等である安保条約・行政協定を改定する前提として、独立国としてあるべき憲法制定を考えているのか、よく分かりません。真の狙いがアメリカにばれれば、安倍さんは遅くない時期にアメリカによって失脚させられるでしょう。
この様なことを考えてきますと、今世界中で発生しているテロもその原因は、地球的的規模での格差拡大と思われます。
ですから、現にアメリカの大金持ちは、自動小銃を持ったガードマンがいる高い塀に囲まれた高級住宅地で生活しています。大金持ちが社会から差別されている不満分子の恨みを解消する唯一の手段は、今の税制の下では、格差拡大の原因である教育に巨大な寄付をするしかないということでしょうかね。
結局、人間の幸せは、決して巨額の資産を作ることでもなく、家族揃って、食事のできることが代々つながってゆくことである、と古の歌を紹介させていただきました。教養のないものがこの様な歌を知っているものでもありませんから、これは世界女性連合の機関紙『Her story』からの孫引きです。あしからず。
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