前川文部科学省前事務次官の発言で安倍内閣が窮地に陥っています。政府は、官僚が内部告発したメールなどにも「発信者不明の『怪文書』についての調査はしない」と居直っているのですが、国民の大多数は、前川氏の発言を信用し、政府は嘘を言っていると判断しています。
『喜怒哀楽』2016年08月03日「小池知事の情報公開の重要さ」のブログでも、政府の持っている情報に対し、「都知事の情報公開制度が推進すれば、国家権力を握っている国の行政組織に対して、小さな風穴を開けることができるかもしれません。また、それには、当然激しい抵抗が生じることとなります。」と書きましたが、今正に前次官らの「内部告発」と政府中枢のもっている情報との真贋が問われています。
しかし、現政権に決定的打撃を与えるであろう情報が内閣から「自発的」に開示される事はないでしょうから、「加計学園」問題を巡っての政府中枢の違法行為を検察官僚が捜査して摘発ができるのか、民主主義の真価が問われています。
兄貴分のアメリカでもトランプがコミーFBI長官を解任して、大統領の弾劾まで進むか大いに興味がありますが、安倍総理は、要旨「ネパールに水力発電所をつくったことのキックバックとして1億円近い金額が岸事務所に転がり込んだ可能性があります。」(平野貞夫著『角栄凄みと弱さの実像』KKベストセラーズ157頁以下)と書かれ、角栄以上の金権政治をおこなった岸伸介の孫であり、続けて同書は、満州での岸について「中国人数十万人をアヘンで廃人にした日本の民間特務機関のトップだった里見甫(1896~1965)が行ったことを中心に、「満州国は、関東軍の機密費づくりの巨大な装置」であった事実を伝えています。そして満州国開発「五カ年計画」を策定した岸本人に言わせると、満州国とはそもそも、「私(岸)の作品」と言えるものでした。その岸がアヘンによる機密費作りのことを全く知らなかったとは考えられません。」と紹介され、さらに「里見の秘書の証言によれば、42(昭和17)年4月の翼賛選挙に立候補して念願の政治家になった岸はこの時、弟の佐藤栄作を運び屋に、200万円の金が届けられたと言うのです。これを国家権力の私物化と言わずして何と言いましょう。」(同書159頁)と角栄以上に金権政治と国家権力の私物化をした岸信介を批判しています。
その他、岸は戦犯として巣鴨に拘置されていたものの、GHQから釈放され後に内閣総理大臣となり、アメリカの世界戦略に組み込まれた日本の礎を作ったのですが、みどり十字のように何故アメリカに「赦免」されたのか、疑問が湧いてきます。勝手な推測ですと、岸などはアメリカとの司法取引、即ち満州での人体実験を行った関東軍の731部隊の実験データをアメリカに引き渡すのと引換えに戦犯容疑を免れたのか、と考えています。
安倍内閣に関連して岸のことを少々長く紹介しましたが、安倍晋三はお爺ちゃんの跡を継ぐ政治家になりたいと二度の内閣総理大臣に就任したものの、「加計学園」問題を巡って首相を取り巻く今回の内閣官房などの所業は、韓国のパククネ大統領の側近らの行った悪行とその構造(トップの頭の構造)が似ているように感じているからです。しかし、日本と韓国との違いは、国民の辞任要求のデモなどで、大統領の弾劾が始り、その結果大統領が罷免されるなど、未だ民主主義が機能していることでしょう。
昔は、学生が日本の国の政治に大きな影響力を与えたのですが、今の学生にはその元気がありませんから、われわれ70年安保の「残党」が、我が国の将来を案じ、声を大きくする必要を感じています。一所懸命足腰を伸ばして、少しは頑張れますかね。
2017年06月07日
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