中には、国家公務員(衆議院法制局)から研修所に出向して、修習生の2倍程度の給与を受けとっているから、法曹資格取得した後も官僚に戻るのか思いきや、さっさと弁護士登録をして、今大阪で大きな事務所を構えていることを自慢している「金儲けの上手い」弁護士もいました。しかしながら、教室でも優秀で、その後も立派な本を出すなどしている本当に優秀な東大出の弁護士もいました。私も研修所ではクラス委員(多分成績優秀でないとダメと考えているのですがね)でしたが、彼には起案の提出では、遅れをとっていました。また、中には研修所の教官になった弁護士もいましたが、彼は大分偉くなっていましたから、あまり話をしませんでしたね。この年になると、何処に言ってもおべんちゃらなんていいませんから、相手の気持ちが良く分かってきました。
教官は、中井憲司さんで、先生は、法務省のトップレベルのはずでしたが、国会の答弁で少し失敗したらしく在野の人となりました。中井検事は、研修所時代「弁護士は、職人である。」と強調していました。
当時、良く理解できませんでしたが、最近やっと「職人」の意味が理解できたように思います。
先日、説得に大変というか、癖の強い依頼者から手紙を頂きました。『先生ありがとうございました。先生が7人目の弁護士でやっと救われました。』というような内容です。自分で「へぇー」と驚いていますと、事務員さんが「彼は、これまでの兄弟を始め医師、検事などを刑事告訴していました。」と聞いてびっくりでした。
本日は、都内の「いじめ専門の弁護士」が相当いい加減な訴訟を提起して、いじめの要件事実(日時、場所、具体的行為などの特定)ができないまま証拠もないのに350万円(自賠責保険での死亡した本人の慰謝料と同額)も請求された事案の起案でした。先週めでたく、原告敗訴で確定しましたので、このアホ弁護士に損害を払えと内容証明を出した次第です。殆どの弁護士は、その様な危ない「アホ」な事はしませんが、「いじめ専門の弁護士」判決書で、「要件事実が大雑把」などと言われただけでなく「原告本人名の陳述書が提出されたが、この署名は、明らかに原告本人のものとは異なる。」と弾劾されています。弁護士職人としては許せないですからね。
この弁護士のホームページを見ますと、着手金目当てのような、「ゼニ稼ぎが上手い弁護士」と考えられるようです。
結局職人は、自分の仕事に納得ができないならば、金銭に関係なく、満足のゆくまで自分の仕事を追求するということでしょうね。
僕も、割の良い仕事をしたこともありましたが、今回のいじめ事件は、先の「厄介な依頼者」同様、正に手弁当でしたが『やったー』と満足のできる仕事でした。
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