2014年02月14日

新米弁護士は、最低限の生活以下か?

2月7日毎日新聞に、生活保護受給者(原告)が、千葉地方裁判所に、市原市の担当職員から住宅扶助の上限額の説明などを受けなかったことから、結果的に原告が3万4千円のアパートにしか居住できず精神的苦痛を受けたとして、市原市に対し慰謝料350万円を請求しているとの報道がありました。

最近の弁護士の実情を説明しながら、今回の生活保護受給者の言い分の正当性を考えて見ようと思います。
弁護士の数が増加したことで、新米弁護士が生活保護の程度しか収入がないことから、私の知っている弁護士も3万5千円の安アパートに住んでいます。
弁護士になるには、大学卒業後、法科大学院に入学して3年ほど勉強した後、(5年以内)に合格率25%程度の司法試験を突破して、さらに無給で1年間の司法修習を修了してさらに、毎年100名程度の落第がでる「二回試験」に合格して、晴れて弁護士登録をしても年収100万円に満たない人もいます。弁護士会費の支払が困難であるとして弁護士登録もできない人もいるのが現実です。

この様な社会現実の中で、生活保護法は、憲法の理念に基づいて「最低限度の生活を保障」される(第1条)が、(第3条)保護受給者は、保護を受けるためには、利用しうる資産、能力その他あらゆるものを活用することが要件とされています。(第4条 生活保護の補足姓)
即ち、生活保護を受けるためには、本人の能力を最大限発揮して、それでもなお、健康で文化的な生活水準が維持できないとき、はじめて生活保護の受給ができると法律は定めているのですから、市役所の職員が家賃の上限が4万6千円であることを説明しなかったことが法律上の義務違反だなどと言う前に、はっきり言えば、弁護士などに相談する前に、自分の能力を発揮して最低限の生活から抜け出す努力をすべきと考えます。色々な情報を自分で探し出して最後の手段として生活保護の申請をすべき事は、当然です。

しかも、原告は、3万4千円のアパートを自分で探し出して、それを借りていたというのですから、現実として3万4千円のアパートがある以上、そこが「最低限の生活居住空間」となるはずで、それ以上高額なアパートに居住しなければ精神的苦痛を受けたなどとは言えないはずです。
公的扶助であるなら、家賃に上限があったとしてもより安いアパートがあれば、そこを賃借すればよいだけのことです。それを市の職員の説明がないからと言って、4万6千円以下のアパートで生活したから精神的苦痛を受けたなどという事は、明らかな傲慢無知でしかありません。

なぜなら自分で働いて、その給料から3万5千円のアパートを借りて生活する人が、社会に存在しているのです。3万5千円のアパートに住む私の知っている新米弁護士は「最低限度以下の生活」をしているのでしょうか。これを「最低限度以下」の生活と考える人は、精神の貧困でしかないでしょう。

ですから、市の職員が説明をする、しないに関わらず、補足姓の原則だけ考えただけでも原告の請求は棄却されるべきものと考えます。
敢えて言えば、説明がなかったから精神的苦痛を受けたなどと言って裁判をする前に、その様な暇とお金(弁護士費用)があるなら、一生懸命自助努力をすべきでしょう。
弁護士費用も国からの補助でやれるなどと考えることもできないではないでしょうが、この様な裁判を弁護士が引き受けることも、権利の濫用と考えるのですが、いかがでしょうか。

毎日新聞は、「不正受給を防ぐ手続きの厳格化が進む」ことに「批判もあがっている」などと報道しているが、本件訴訟とは、論点が食い違っています。
 
さてさて、千葉地裁はどんな判決をするのでしょうかね。高裁で簡単にひっくり返されないような、理路整然としたレベルの高い判決を期待します。
尚、「この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理(前4条)に基づいてされなければならない。」(第5条)とあるので、原告が恐らく主張しているであろう憲法論などに踏み込まないで判断していただきたいところでもあります。
posted by やすかね at 16:21| 千葉 ☔| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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