2013年07月20日

フランスの教育事情

先月、結婚40年と言うことで南フランスからパリに行ってきました。帰国の途上、空港に向かうバスの中でフランス在住の日本人ガイドさんからフランスの教育制度についての素晴しいお話がありました。
聞いてびっくり、幼稚園から「落第」があるというウソのようなホントの話しです。

日本人の商社マンのご子息が幼稚園に入ると、多くの子どもが落第となります。どうして?ですよね。それはですね。子どもが10人いてチョコレートが3個あるときに先生から「ハイ、チョコレートほしい人は手を上げて」と言われると、殆どの子どもが手を上げるのですが、日本人の子どもは、自分が貰ってしまうと外の子どもがもらえなくなるという優しい心から手を上げないそうです。
すかさず先生、日本の子どもに「チョコレートは、欲しくないの?」と聞くと、子どもは「僕も欲しいです。」と答えるのです。さらに先生、「では、どうして手を上げないの?」と突っ込まれると、日本の子どもは、上手く自分の考えが言えず「・・・・」と黙ってしまうということです。これを見て先生「この子は、自分の意見が言えないので、まだ小学校は、早い」と判断されて、見事落第となるようです。

小学校は、5年制で学業も体育も単位制で0.5単位でも足りなければ、やはり落第です。クラスは24人程度で、5年間に50%が落第するということです。中学校は4年生で、これも単位制、卒業試験は、なんと「国家試験」だそうです。2回まで受験できるのですが、合格できなければ「中卒」の資格がなく、就職も限られたものとなるようです。

高校も当然卒業試験は、国家試験で2年ほど前、史上最高78%が合格し、38%が大学に進学でき、授業料は無料で全額国費ですが、4年ないし6年生の大学を卒業できる人は、理工系で17.6%文系で21%、さらに最高学府である高等専門大学校にも進学できるのですが、卒業できる人は3%であり、この高等専門大学校の政治学院の卒業生が政治家になるということです。
サルコジ大統領も、確かハンガリーからの移民の子どもですが、この政治学院を卒業して大統領になったものです。

日本で有名なカルロスゴーン氏も最高学府の卒業生です。因みにフランスでは公教育は大学まで全て無料と言うことで、成績がよければ、最高学府も全部タダだそうで、日本のように、金持ちの親が子どもに金をかけて人より早く教育して能力もないのに「フライング」して東大に入るだけでは、国際的に通用できる人材は育たないようです。

以上のようにフランスでは、能力があれば経済的負担なく、大学を卒業でき、上の学校に進学できないときはブルーカラーとなったり、また事務職でもホテルマンでも一生同じ仕事をする事となり、「出世」と言うことは望めず、せいぜい「主任」止まりだ、そうです。

そんなことからでしょうか、私の印象では、フランス人の仕事に対するモチベーションは低く、大概ゆったりとした仕事をします。フランスを訪れ、最初に、「何て、のんびりなんだ!」と思います。フランスでは「待つことが文化」だそうで、せっかちの日本人は大変です。レストランでも、美味くもない料理が出てくるのを、待って、待って食べるのです。決して優雅にゆったりと美味しい物を食べているのではありません。

とにかくフランスは大革命の国です。平等は徹底的に「機会の平等」ですが、結果の不平等は日本を越えています。多民族国家では、全ての国民に機会の平等が与えられていませんと、国内の政治が安定しないのでしょう。後は、格差をどの程度解消するか、それが政治力ですね。

最後にマルセイユに行ったところ、港のヨットハーバーには数え切れないヨットが係留されています。その38%はギリシャの公務員の所有だそうで、このギリシャにヨーロッパは多額の支援をしています。フランス人は電気も節約して援助しているのに、援助を受けている、ギリシャ人は節約もせず、フランスでバカンスをして飛行機で帰るそうで、公務員がふざけているのは大問題です。日本のように隠れてやれ!ですね。エッ・・エエエッ
posted by やすかね at 17:28| 千葉 ☁| Comment(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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