2007年03月16日

平成19年度 一般・特別会計予算

今年初めて予算委員会の委員として予算審議に参加することができました。執行部の皆さんは長年行政マンとして経験豊富なのですが、予算委員会での質問が的を得たものであるか否か、十分自信があったわけではありませんが、色々な意見の存在自体が民主主義ですので、玉石混交ということで、ご了承下さい。
19年度予算は一般会計の歳入817億4千万円、特別企業会計656億96百万円の合計1474億円で昨年に比べ6%増の積極予算です。
本日掲載分は、この予算についての総括(個別具体的でない)意見です。
予算案は、本日実質審議が終了し、賛成多数(反対2)で承認すべきものとして採決されました。

平成19年予算審査特別委員会 総括意見陳述 
平成19年3月16日
緑水会  伊 藤 安 兼

平成19年度、一般会計特別企業会計に賛成する立場での総括意見を陳述します。
1、 国・地方公共団体の予算執行は、その時々の国民・市民の声を反映しつつ国民の間に存在する所得の不均衡を是正して、誰もが将来にわたり安心して生活できる社会を作り上げてゆくために不可欠な制度です。
最近では、新自由主義の最先端を走り続けるアメリカにおいても、会社経営者が数百億円の報酬を得ている一方で時給5ドル程度しか稼げない人が存在している格差社会は必ずしも健全な社会ではなく、このような社会的不正義は是正すべきであるとの認識が強まりつつあります。
このような格差社会はわが国においても同様であり、国民の平均賃金の半分以下の所得しかない、いわゆる貧困層が拡大している現状が大きな社会問題となっています。
本市においても、この拡大しつつある格差社会を認識していることは、平成19年度予算編成で、昨年に引き続き福祉・教育関係の予算規模が拡大していることに現れており、本市の予算が現在の社会問題を認識し、これを解消する方向で編成されていることは、多くの市民から支持されるものと理解しています。
2、  歳入面での意見となりますが、先ごろ、04年の県民所得が発表されました。これによりますと、全国平均で0.3%増のところ、千葉県は2.9%の伸びを示し、前年の13位から10位に上昇しています。
東京電力の原発トラブルから立ち直った福島県を除けば、千葉県の伸び率は全国最大であり、このような本県の伸びは、県内に存在する大手製造業の業績拡大であると評価されています。
同様な傾向は三重県にも見られる一方、高知県のように公共事業に依存しているところでは3,1%下落するなど、大企業の生産拠点を持つ県とそうでないところとの格差が拡大しています。
    従って、臨海部に大企業の生産拠点を有する本市は、歳入面の拡大が県内においても特に顕著であり、歓迎すべきものです。
しかしながら、将来にわたり健全な財政運営を続けるためには課題がないわけではありません。
@ 市民に担税能力がありながら公平な負担が確保されない状況があるとすれば、それが僅かであっても市民に不公平感が醸成され、市政に関する信頼が損なわれる可能性が否定できません。
A また、将来の市民に負担を押し付けるような財政運営があるならば、誰も借金のある自治体の住民になろうとは考えませんから、本市の目指す中核都市は画餅に帰してしまいます。従って公債の取り扱いに今後とも十分留意する必要があります。
B さらに、国県レベルで行われる政策運営に注視し、それを先取りするような研究を心がけ、予算獲得を積極的に行うことが重要であることも論を待ちません。
3、 歳出面では、適切公正な支出を心がけることはもちろんですが、徒にコストダウンを図ろうとするだけでなく、工夫をこらし、投資的効果を持つ支出に留意すべきです。前述したように県民所得、市民所得を拡大するため生産性の高い企業の誘致は重要ですから、企業誘致につながる施策を引き続き継続し、また福祉的予算であってもそれが市民の自立につながることに配慮しながらの予算執行をお願いしたい。
なお、市民の格差は単に収入だけでなく、日常生活の利便性も重要な要素ですから、本市に30年、40年と住まわれ、長年市民税を負担しながら未だ下水道だけでなく上水道もなく、さらに狭隘な生活道路を利用せざるを得ない市民も存在していることを忘れずに、全市的に行政の光を与える予算執行を心掛けていただきたい。
行政運営は住民の福祉向上を目的としていますが、そのために市政に対する市民の関心を高め、老若男女を問わず、一人一人の市民が安心安全に、具体的に言えば、将来に不安のない自立した市民として消費者として生活できる方策をとって頂きたいことを希望し、本予算の早期執行をお願いします。
posted by やすかね at 16:43| 千葉 ☁| 議会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする