直前の鴇田議員の質問は念入りに執行部と打ち合わせができていたようで、質問も答弁もよくできており、私のように、思いつくままの質問と違い、自席で少し落ち込んでいましたが、原稿に無いところも補足しながら、何とか終了しました。
平成18年12月7日
11番 伊 藤 安 兼
1、 平成19年度予算編成及び市原市の財政について伺います。
最近のマスコミ報道を見ますと、夕張市などの地方公共団体の破綻が大きく論じられています。しかし、本市は破綻とは無関係と思いますので、本市の財政については大丈夫ですと言うことを市民に広く理解を得ることは有益と思います。
そうはいいましても、最近のマスコミ報道からは、地方自治体の財政状況について厳しい評価がされておりますので、本市においても箱物行政の後始末といいますか、収支状況の良くないものについては、財政白書で強調している未利用地の処分と同様、利用の停止乃至は処分を考えても良いのではないか、と思います。敢えて具体的に言うまでもないですが、色々検討した結果、妙案が浮かばないのであれば、やむなく処分するのが赤字増大を防ぐ最善の手段と思います。
厚生労働省も百億単位の施設を建設費の一割に満たない金額で処分して、赤字の拡大を免れています。
江戸時代末期の武士の社会は、幕府を含め全国の諸藩で、どこも巨額の借金を抱えどうしようもなく、明治の廃藩置県で全ての借金をうやむやにしたのではないかなどと、勝手なことを考えていますが、現代社会ではそのようなことも出来ませんので、将来に危険を残す赤字の施設は、一日も早くなくす必要があると思います。(どうもこれは当らずとも、遠からずのようです。)
ですから、民間に運営をお願いできなければ、そのまま運営を継続して赤字を出すより閉鎖するほうが良いと思いますが、執行部の見解を求めます。
もう一つ問題なのが、今回の補正でも組まれていますが、姉崎森林公園です。取得に大きな政治的問題あり、これはそのまま計画を遂行しても、やればやるだけ税金の無駄遣いとなり、仮に利用開始となっても、到底利益など見込める可能性はないでしょうから、本市の財政白書でその方針を示しているように、未利用市有地の処分の基準をあてはるまでもなく、本来は土地公社から取得しないほうがいい訳ですが、今となってはそう行きませんから、これ以上の事業費をかけないほうが得策と思います。
ですから、姉崎森林公園用地の取得は、止むなく行うが、しかしこの正しくない土地取得はこれからも忘れないで今後の戒めとすべきですし、その取得の政治問題を伝え残すべき問題です。当局の見解を求めます。(注ここは、地元の名士といわれる人は、お役所が土地を必要とすれば、無償で提供するものだ、などと述べ、前市長と土地を売った人の責任を言い、本当は名士でなく単なる「有名人」などと嫌味は良いませんでした。何はともあれ小出市長が平成3年当選するとその後援者であった人達、詳しく誰と誰が後援会の人か分かりませんが、宍倉さんとか、三木さんなどという人たちです。その人たちが平成4年土地開発公社に土地の買収を持ちかけ、市長の命を受け土地公社が取得したのです。選挙のときお世話になった人のために天の声を出して談合をさせ、現在逮捕されている知事と同じ構造です。)
その他、今回の質問に先立ち財政白書などを拝見しましたが、前市長から継続してきた大きな財政問題を除き、佐久間市制発足以来本市の財政運営は堅実さを維持していると思います。特に全国的に自治体汚職が報道される中、本市は自慢できる財政運営を心がけていると思います。会計学の専門ではありませんからお墨付きとはなりませんが、今後とも油断することなく健全な財政運営と清潔な市政運営を心掛けて欲しいと希望を伸べ次に移ります。
2、個人情報保護法の取り扱い及びその問題点について
平成15年5月30日から施行されましたが、何かにつけて、わが国では過剰反応が多く、ルールがなければやり放題でルールができると過剰反応というケースが多いようです。
個人情報保護法も成立した途端、当たり前のことが当たり前でなくなり、大変不自由な思いをしてきました。
今年9月から10月にかけての内閣府の調査によりますと、72,6%の人が「知らない間に個人情報が他人に提供されているのではないか」と69,8%の人が「知らない間に個人情報が集められているのではないか」と不安を感じているようです。
その不安の裏返しとして、個人情報保護法を知っていると答えた人のうち51,1%が「緊急連絡網などの名簿作成が中止され日常生活が不便になった」と答えています。
しかし、防災防犯目的なら「積極的に個人情報を共有・活用してよい」「必要最小限の範囲で共有・活用しても良い」合計で88,8%に達しているそうです。本市でも、小中学校での名簿作成、敬老会の名簿作成に支障があった、と伺っていますが、その後の変化がありましたら、お答えください。
特に、いわゆる匿名社会での犯罪が増大し、地域社会での防犯のためには隣に住んでいる人の情報を共有することが必要と思いますので、個人の尊厳、個人のプライバシーで保護すべき本当に大切な個人情報がなんであるか、情報の重要性を吟味することが必要と思います。現状の問題点と今後のあり方について見解がありましたら、お答えください。
3、 小・中・高校生のスポーツ振興及び市内施設の利用について
この質問は一昨年6月の質問に関連しますが、要するに銚子、習志野、船橋、木更津と言うと皆さん何を発想されますか、と言うことです。漁港があるという発想もありますが、そうではなく、これは野球で有名な地域です。これらの地区の高校に市原から通学して甲子園にいった人数は知りませんが、いらっしゃることは確実です。
本市内に有力選手がいるけれども、子供たちが市原では有力な指導者がいないし、市内高校では甲子園に行けない、考えれば、やむなく定期代を払い有名高校に進学します。
しかし、本市に元プロ野球選手とか、元プロのコーチをしていたなどと言う人材も存在しています。同じことは野球に限らず、サッカーもそうでしょうし、相撲だってそうかも知れません。
そうであれば何が問題でしょうか、素質のある選手がおり、コーチもいる、しかし甲子園に行けないとなれば、これはただ、これら選手と指導者を受け入れる学校がないということでしかありません。
そこで伺いますが、市内の各高校に呼びかけ、十分な話し合いを行ってみる必要性があると考えますが、お伺います。
そのような考えなどない、と言うことになれば、市内の子供たちは一つの夢を失うことになると思いますので、市長さんのお考えを伺います。
次に市内のリトルリーグなどでは現実問題として十分練習できるグランドがないということです。グランド自体はあるのですが、どういうわけか市外のクラブチームが練習場で練習し、市内の団体が練習できていない仕組みがあるのではないかと思います。
今回の議案にも野球場の整備が上がっていますが、これら市内球場は市内の団体が優先的に利用できる仕組みを考えてもらいたいと思います。
4、 お年寄りの生きがい及び認知症対策について
平成14年ですか、自民党の議員から高齢者の生きがいについて質問した際、執行部は高齢者の生きがいをゲートボールの参加者として捉え回答していたのを記憶していますが、今日はこの生きがいとしてのゲートボールでなく、生きがい、そのものについて質問します。
社会の生産年齢を超えた高齢者は、これからの人生を自分の好きなように、自分の信念に基づいて生きていたいと思うのですが、本市では高齢者の生きがいについてどのように考えておられるでしょうか、それは大切である、などとの答弁でなく、個人の尊厳と行政運営の観点からお答えいただければ、幸いです。
先日徳島県上勝町の新聞記事を見つけました。町の人口約2千のほぼ半数が65歳以上、この町に昨年は3833人が訪れ今年は11月だけで千人を超す見通しで、昨年を上回るということです。
何を見に来るのか、おばあちゃんたちの葉っぱ集めです。上勝町は山の中ですから、狢などもいるでしょうが、葉っぱをお金に変えるという、実に狸のような商売をしているのです。
年商2億5千万円、平均年齢70歳の農家190軒が出荷を支えているそうです。収入が増え、生きがいが増えた人が70%おり、町の老人医療費は全国平均を10万円近く下回っているということです。いきなり、このようなすばらしい発想は出ないでしょうが、必要は発明の母ですから、本市も常に何かを考えておられることが必要と思い、ご紹介させていただきました。
本市においても同様の取り組みなどありましたら、お答えください。次の認知症についてですが、これは10月末から大牟田市に行政視察に行かせていただきました。大牟田市は財政力指数が約0,5で人口の最高時は21万人を数えましたが、炭鉱閉山で8万人の人口減少で、現在13万人、市の職員が2千人ほどで、財政的にも大変な状況と思います。
そこに認知症対策の現場を見ようと出かけたわけですが、内心、財政力指数からみてもたいしたことをやっていないのであろうなどと極めて失礼な考えを持っていましたが、金がないと頭を使うのですね、驚きました。
認知症と言うと勉強不足の私など偏見の塊でしたが、大牟田市の活動を拝見して考えを改めました。そこで伺いますが、本市の認知症対策、その予防対策などいかなる状況か教えてください。
また子供に理解を深める対策、家族への支援、結局家族では看きれないという認識があるか、あるとしたらどうすべきか等、お答えください。
5、AED設置施設の認定及び本市の取り組みについて
これは、簡単な質問です。先日の新聞報道によりますと千葉市消防局ではAEDを設置してある市内の百貨店ホテルなどを「応急手当普及協力事業所」として認定する制度を創設したということです。これまで何度かAED質問させていただき、本市の普及も始まったばかりですが、その後ネットワーク作りをお願いしたのですが、残念ながら、「認定制度」は思いつきませんでした。二番煎じとなりますが、そういう問題ではなく、良いことは真似をして進めるべきと思います。本市はどうするか伺います。
6、障害者の雇用対策及び市役所のパート職員について
いうまでもないことですが、障害者に限らず、個人が自立するためには、職業を持ち、自らの生計を維持できなければなりません。特に障害者の就労は困難を伴うでしょうが、本市における障害者の実数と就職率が分かりましたら、教えてください。
本市は、昭和58年「障害者福祉都市」を宣言し、さらに平成11年3月市原市障害者基本計画を策定し、平成11年度から20年度までの10ヵ年の計画として7つの基本目標を定め、その5として障害者雇用・就労を促進するため、関係機関と連携し、情報提供・啓発を図り、福祉的就労の場の確保に努めます。としています。
また、この基本計画の45ページでも同様の趣旨のことが書かれていますし、さらに授産施設等の就労の場の確保の整備が必要です。とありますが、基本計画策定から現在、ないしは計画終了まで就労確保の整備を行ったものとか、さらなる予定がありましたら、教えてください。
本市の障害者の雇用は、法の定める数を充足していますか。伺います。
次に、パート労働について伺います。他人に労力を提供してもらう契約としては、民法の用語では雇用・請負・委任などといっています。質問通告のときは特に意識しませんでしたので、簡単に「パート職員」としましたが、頂いた資料には「日々雇用」とありましたので、言葉の使い方に若干問題があったようです。
05年の総務省の労働力調査によると1633万人いる非正社員のうち、労働時間の短いパート・アルバイトが7割、短期契約で働く契約社員が407万人、派遣が106万人。04年の政府の統計では、労働力人口4471万人となっていますので、統計年度が異なりますが、要するに現在は、働き手の3人に一人、働く女性の過半数、24歳までの若者の半数近くがこの働き方といわれています。
いずれにしましても、正社員に比べ「有期雇用者」「フリーター」「契約社員」「派遣社員」、市役所では「日々雇用」という言い方でまとめられている労働者の労働条件は恵まれているとは思えません。
そこで、パート労働者の厚生年金とか、有期雇用者の正社員化とかが、問題となっています。アパレル大手のワールドではパート5000人の正社員化を計って人材確保を優先しようとしているそうです。
ところで、資料をいただいたのですが、17年度の実績では、19の部局で合計3060人・月、内保健福祉部と教育委員会で8割以上の2515人・月となっています。その全てが単純労働であるとは思いませんが、一般事務ですと時給が800円です。現在、社会のいろいろな場面で二極化が問題となっており、公務員試験と言う難しい試験を受けて合格した人とは待遇が異なっても仕方がないでしょうが、時給800円は平均的職員の2割から3割程度の賃金と思います。その他福利厚生のことなどを考えると、簡単に二極化と言って済まして良いのか問題があると思います。
この金額は他市との均衡などを考慮して定めているでしょうが、市役所の定めるパート職員の時給は、しない民間の基準にもなると思いますので、その仕事内容に従って適切に決めるべきと思いますが、見解を伺います。特に技労職系の軽作業820円、中作業が900円であるのに対し、一般事務職が800円と言うのは均衡を欠くようにも思います。当局の見解を求めます。
7、 ごみ減量850推進事業の進捗状況及びその問題点について
まず、ごみを燃やすことは、大量の二酸化炭素の放出という点で問題であるほか、この地球上に生活している人間が資源の無駄遣いをしている、さらには清掃工場の建設は莫大な費用がかかり、古くなった工場の取り壊しでも地球環境にも大きな問題を残します。
先ほどご紹介させていただきました徳島県上勝町、以前どこかで話した記憶がありました。実は15年第4回の質問で触れておりましたが、上勝町は2020年ごみゼロ宣言をしています。小さな町ですが、ごみゼロ宣言といい、お年寄りの生きがいなど、財政的には大変でしょうが、すばらしい行政を進めておられます。
本市もせめて、ごみ焼却ゼロ宣言をして、できる限りのごみ減量を推進すべきと思いますが、まだお考えは変わりませんでしょか、伺います。
結局、人間は地球資源を使い生活させてもらっているわけですから、資源・エネルギーも必要最小限の生活しなければ、この地球をこのまま後世に残せないだけでなく、現実問題として様々な弊害が既に発生しているわけです。どこかのコマーシャルにありましたが、お隣中国とかインドとかが今のアメリカ人のように広大な国土で自動車を使い始め、膨大なエネルギーを使い始めたらたちまち地球は破滅です。
ですから、京都議定書で定められた二酸化炭素排出規制にアメリカを加え、自分を含めた日本人もエネルギー消費を控えなければならない、そういう状況です。
ごみ減量の出発点にはこのような大きな問題があることを常に意識しながら取り組む必要があると思います。
そこで伺いますが、本市では、ごみ減量850事業を推進しているのですが、残念ながら平成17年は一人一日1003gの排出で前年に比べ8g増加していると伺いました。自分も反省しなければならないと考えますが、事業を進めながら、これと反する結果が出ていますが、その原因をどの要に理解されているでしょうか、答弁願います。
ごみを減らすことは一人ひとりの認識、しかも地球環境さらには人間どう生きるのか、そこまで考えなくとも良いでしょうが、色々難しい問題があります。しかし、端的にごみを出すにはお金がかかる、と知ってもらうことも必要と思います。
そこで伺います。清掃工場の建設、ごみの収集・運搬の費用とごみ焼却費、工場の原価償却、清掃工場の解体、この全体のサイクルの中でごみ一トンあたりのごみ焼却費用がどの程度かかるのか、お答え願います。
また既にデータをお持ちと思いますので、ごみ一トンを償却するとどの程度の二酸化炭素が発生するのかについても教えてください。
このようにごみ処理に必要な税金がどの程度必要なのか判明した段階で、今度はいわゆる受益者負担の考え方で将来、ごみの有料化を考えなければ資金的にも地球環境にも限界があります。
市民に対してご理解を求め、有料化と不法投棄と罰則・規制の枠組みの中でどのような方策が最善かお答えください。
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