2012年08月24日

政治改革と財政再建

今国会では、消費税の増税が与野党の合意で決まりました。多くの識者が「将来的に消費税は上げる必要があるが、今はそのときではない。」と反対しています。どういうわけか新聞各社も消費税の値上げを財政改革の一歩と考えているようですが、本当にこれで財政改革ができるのでしょうかね。
消費税が上がって景気が後退すれば税収が落ち込み増税分も吹っ飛んでしまうのではないか、と思います。あのギリシャにしたって20%以上の消費税を取っていたのですから、消費税をいくら上げてもやはり景気回復が最大の問題と思います。

結局大蔵省の先輩である榊原英資さんも、自ら財務省よりと認める本(『財務省』新潮新書)で「まずは景気の回復、それから財政再建と言うのが当然の道筋ではないでしょうか。」(同書159頁)と述べています。

この本は、最近の財務省批判の著作が多く出される中で江田憲司の『財務省のマインドコントロール』を冒頭にあげ、「江田は橋下龍太郎の秘書官として、大蔵スキャンダルの時機、財政と金融の分離を主張し、いまの財務省の・金融庁体制を作った陰の立役者でした。」と相当お怒りのようであり、また「大蔵省・財務省にある種のコンプレックスや怨念を抱いているように見えます。」とも書いています。

それはともかく、今国会で定数削減と1票の価値の不平等解消と言うことで選挙区の定数削減と比例区の40削減などという小手先の改革がなされようとしているのですが、根本的に1票の価値の平等及び選挙制度を変えなければ今まで同様できの悪い議員ばかりが多くなり、この国は沈没するしかないと思います。

財政再建には、公務員の給与削減をするためにも、まず国会議員歳費の値下げもしながら定数を削減し、小選挙区制を改正することが必要です。財政再建と政治改革を同時に進めることが重要です。

この様なことを考えつつ榊原の本を読んだところ、やっぱり明治以来日本を動かしてきたのは、官僚であることを再確認しました。そしてそこから民主主義と政治改革を両立させるには、まず公職に立候補した場合当然に公務員を失職させる公職選挙法とか地方自治法の改正が必要と考えるにいたりました。

そしてもう一つ国会議員の歳費削減もそうですが、その前に定数を衆議院で300に減らし、全国を100の選挙区(人口120万人から130万人)で定数を3にするのが良いと思います。1票の格差の是正も行なえるし、一番のメリットは選出された選挙区の利害しか考えない頭の悪い議員を大幅に減少させることが出来ます。

小選挙区の弊害は既に明らかとなっているのですが、まず「死票」が多いということ、次に選挙民は政党を選ぶと候補者が選べず、候補者を選ぶと政党を選べないことです、もっと根本的な不都合は小選挙区ですと立候補者は当選するために、大衆迎合的なレベルの低いことしか選挙戦で訴えませんし、その結果、天下国家を論ずる議員は少なくなり、基準レベル以下の議員しか生まれません。結局国会では、行政のプロである官僚に全く太刀打ちできないだけでなく、官僚のストーリーで国会運営がなされ、本当に必要な国の将来に対して議論をすることも出来ないのです。

ですから1票の価値平等と有能な政治家の出現を保証する制度が不可欠です。そこで、比例代表などと言う党首が候補者を決めることをやめて100選挙区(選挙区人口120万人から130万人)の中選挙区制により衆議院議員を選任することが必要です。

そしてもう一つ、官僚にも選挙の洗礼を受けられるチャンスを与える制度が出来れば行政のプロが、選挙で選ばれた国民の代表として、自信を持ってその能力を十分に発揮できると思います。今のままでは立候補すれば公務員を当然失職するのではリスクが大きすぎて誰も冒険なんかしませんし、レベルの低い議員と同僚などにはなりたくありません。結局わが国が本当に必要とする有能な人材が政治家になれません。今の制度は、被選挙権が国の政治に参加するという重要な公民権でありながら極めて重大な制約がなされています。憲法違反ではないでしょうかね。

そこで、公務員のまま立候補ができるようにすれば、例えば地方議員などは兼職も認め給料は、5分の1程度に引き下げる事もできると思います。今のように議会に出て「賛成議員」をしていれば市議会で年間1千万円、県議会で2千万円ものベラボーな給与を減らせると思います。その外の経費を入れるとその二倍程度の税金が使われ、議員は執行部の邪魔(議会の質問も答弁も全て執行部任せの議会で執行部のエネルギーを浪費)しかできないのが、2期8年の議員経験で判明したことです。ですから、地方議員に数千万円を支払うのは全く税金の無駄遣いで、地方議員は殆どボランティアでこと足りるのです。会社をリストラされたので、親父の跡をついで議員にでもなるかという輩もいるのです。

これに対し、国会議員は、長期間国会が開催されますから、議員は地元に中々戻れませんし、兼職を認める分けには行きません。しかし、落選したり、議員を辞職すればまた公務員に戻れるようにすれば有能な議員が多く誕生することになると思います。

長くなりますので、次に現在の小選挙区・比例代表制をやめて全国100選挙区、定数3で行なわれる中選挙区制のもとで、さらに一人2票まで投票できる中選挙区・複数投票制度について典型的な例をあげてみます。
この制度の一番良いところは、悪名高い議員とか候補者をみんなで落選させることが可能となります。例えば、定数3の中選挙区にABCDの4人が立候補し、今までどおり一人1票の選挙ですと、何かと評判の悪いAは、選挙が上手で36%の支持がありトップ当選、以下B24%で2着当選、C22%3着で当選、D18%で落選です。

しかし、2票制にしますと、Aの支持者は全員がAしか投票しないで2票目は棄権したとします。B・C・Dの各支持者は、2票目を悪党のAには誰も入れないものとします。するとAは36%しか得票できません。次に、B・C・Dの各支持者中、Bの支持者はC・Dにそれぞれ12%ずつ、Cの支持者もB・Dに11%ずつ、Dの支持者はB・Cに9%ずつ投票するとしますと、最終得票率は、A36%、B44%、C42%、D41%となり、見事Aは最下位で落選です。めでたしめでたしデスね。
posted by やすかね at 18:54| 千葉 ☀| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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