10月31日と11月1日(全体は2日)までの日程で、佐賀県鳥栖市と福岡県大牟田市に教育民生常任委員会で行政視察を行ないました。鳥栖市での視察はともかくとして、大牟田市で認知症に対する取り組みを学んできました。
次回のブログに書こうと思っていたのですが、やっと資料が手に入りましたので、今日のご報告となります。この資料は、「私が」行政視察の質問の際、「もの忘れ検診」コーナー記録シートをいただけませんか、とお願いしておいたところ、大牟田市から送っていただいたものです。後日皆さんも「物忘れ」の程度を検証すると認知症の「予防」になりますね。
ところで、自分では「認知症」などという表現の仕方は、これもまた「言葉狩り」の一種でおかしいのではないか、と考えているところもありました。痴呆とか「ボケ老人」で良いではないか、何も難しい「認知」という言葉にさらに症をくっつけて理解困難な言葉を作る必要もない、と勉強もせずに思っていたのでした。
それに大牟田市の概要を聞けば、財政力指数(*)は0,51であり、今問題となっている夕張と同じく、炭鉱閉山で財政的に厳しい状況であり、市民の需要に応えられる行政をやれているか、などと不遜にも疑を持っていたのです。
しかし、その様な考え方は浅はかであり、そもそも人間というか個人の人格をあまり尊重していないものであることを知らされました。現在65歳以上の一割が認知症といわれているようであり、認知証の人も自分らしく尊厳を持って暮らしたいと願っているし、なにより誰でもがなり得る「物忘れ」と「判断力低下」が起こる脳の病気ということだそうです。
アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆が多く、どちらも脳の機能低下によって記憶障害と判断力低下などの「中核症状」が見られ、徘徊や妄想などが必ずしも起こるものでもなく、これらは何らかの理由によって本人が反応している状態(周辺症状)だそうです。
誰でもがなりうるものであれば、もし自分がなってしまったときに「親切にしろ」などといっても手遅れですので、今のうちから子供達の世代にも認知症の「認知」をさせておく必要があると感じたからです。皆さんもそう思うでしょう。頭を使っていない人ほど認知症になるというのが経験則ですから、他人事ではないのです。
では、大牟田ではどのような取り組みをしているのか、短時間の視察では全く不十分でしょうが、できる範囲で紹介します。
大牟田市の議会事務局の説明、概要(注:聞き間違い多くあり、念のため)
大正6年3月、人口13万3268人で市制施行、21万人の人口を数えたときもある、石炭余りから、人口が減少して一番多いときから約8万人の人口減少、石炭の生産が減り、平成9年3月三井炭鉱の閉山、まもなく10年となる。三池炭鉱、三池と言う地名はもと三池藩、「大牟田炭鉱」といわず、大牟田と言う地名より、三池のほうがわかる?という視察の議員さんもいる。
石炭がない中街づくり、高齢者街づくり、環境リサイクル産業の取り組み、産業の柱がなくなり、新たな産業作りの取り組みをしている。
大牟田エコタウンと言う取り組み、RDF発電事業、家庭ごみを圧縮してごみ発電、ダイオキシン対策など、リサイクル産業を大牟田の産業にしようと言う、紙おむつから、他の製品にして行こう、新たな産業、九州自動車道大牟田テクノパークに企業誘致をしようとしている。
三角の建物、以前観光産業で石炭産業、テーマパーク平成7年に炭鉱離職者の雇用問題などからメープル?ランド?平成10年に赤字で閉鎖、
損失補償なども2億5千万円の返済をしているので大きな痛手となっている。
エコタウンテクノパーク、環境産業を考えたときもある、福岡一つの観光地、長崎もある、南は鹿児島でこれも観光地、大牟田も何とか観光で街づくりを考えたが、失敗した、大牟田市の財政は、5百億円、5年連続の赤字である、行財政改革、合併問題も県境荒尾市県境がある、具体的動きはない、
議会の取り組み、大牟田の街づくり行財政計画、と事務局の人から説明を受けました。
その後、スライドを映しながらの説明です。皆さんご承知のように、昼食後のスライドは大変眠いのが通常ですが、この日ばかりは、パソコンに入力していましたので、眠気がありませんでした。
スライドで説明わが町大牟田の認知症の人とともに
大牟田市の位置関係、九州、「やさしたとエネルギーあふれる大牟田」
1873年(明治6年)エネルギー革命で石油に変わる中平成9年には、35年21万人の人口が8万人に減少した。高齢者約3万7千人27,7%、最近のデータでは27,8%と全国最高の高齢化率(人口10万以上の都市)である。
高齢者の人口、後期高齢者が前期高齢者の人口を上回る平成平成12年の国勢調査、4分の一が高齢者だけの世帯となっている。福岡県、全国と比べ10年以上先を行っている。
要介護認知者17年6323人が認定されている。2以上の何らかの認知症があるのではないか、約半数がその程度となっている。
介護給費の実績12年で63億円、17年度89億円、施設給付費在宅サービス給付費の伸びを抑えることが課題(厳しい財政状況からあまりにも当然)
3890円(一号保険料の給付費が安い)
二つの協議会、サービス時事業者協議会と介支援専門連絡会議:民間の事業者と一緒に取り組んでいる。
介護サービス事業者協議会と市内近郊地域から84法人が加入し、認知症ケア研究会を中心に取り組みをしている。
地域認知症ケアコミュニティ推進事業、認知症の人や家族に対する理解14年から実施し今年で5年目18年度は700万円で申請1割減であった。財政状況が厳しい折、いろいろの取り組みをしている。
認知症ケア研究会:どこにいても、どんな時も、誰といても認知症の人が安心して暮らせるように、
研究会270名の会員(介護現場の仕事をしている人など)認知症コーディネーター
研究会13年11月発足、
全世帯にアンケート(認知症を地域で支える推進事業)その人らしさを叶えるために
目標1:情報共有、意識改革、
目標2:介護現場の実践力、専門性、人材育成、ケアプランでセンター方式 大牟田方式、
目標3:地域への情報発信
と街づくり(地域への教育認知症ケア教室、子供たちの絵本作り、認知症への理解絵を進める、中央法規から全国出版)小中学校での絵本教室、早期発見、サポート体制、
流れ〜1「ケアに着目」
平成13年からのアンケート(需要を把握)
14年度から実態調査から、(家族介護)教室
流れ2「人材育成と支援のあり方に着目」
流れ3「地域支援、まちづくりに着目」16年認知症早期発見・支援
地域全体での支え、ワークショップ(ハンドブックの作成を行い、全世帯に送付)、国際(?)
流れ4「地域共同に着目」17年度、、オレンジリングを作りサポーターに配布、警察消防署、講座を受講した人にオレンジリング
最初はケア、人材育成、地域へ
わがまちの認知症コーディネーター:地域包括支援センター市内を4つにわけて担当、在宅介護支援センターを「介護予防支援センター」に改称
(家族介護)教室:年4回
絵本の取り組み:こどもの時から、理解を深める。関係者の子供たちしか集まらない、自分たちのおじいちゃん、絵本を作りながら理解を深める。
3つの話からなる、物語から絵を作る、2章に解説と(授業に)活用、子供たちにも分かるように:3章に絵本のねらい、大人向けの解説をつけている、長谷川和夫(?)本が売れると本屋が入ってくれる。
この絵本を使い小中学校で授業をしている、
授業の前後で子供の意識がどう変わったか、認知症に理解
グループワーク:自分たちに何ができるか、小学校絵の絵本教室の様子運営委員が各グループに入り子供たちの気持ちを引き出しながらやる
中学校でのグループ活動、子供たちの感性、専門家でも気がつかない、
「心も体もそばにいる」「思い出を忘れてしまうなら、僕たちが作ってあげよう」
子供が認知症のことを学校で勉強してきて「おばあちゃんは認知症やろ」と理解してきた。子供たちは話せば分かってくれる、優しさをわかってくれる。単に認知症だけでなく、障害者への優しさを持ってくる、
認知症の勉強の後、子供たちの意識変化「自分たちにできること」
国際会議に中学生が参加し、発表してきた。
23学校区があり、4500人くらいの地域高齢化率も高いところ、「はやめ南人情ネットワーク」主役は地域住民、在宅介護支援センターが事務局で立ち上げた、地域の誰もが安心して住み続ける「安心して暮らせるまちに」「ワンデーマーチ」地域の資源を点検した。グループホームに参加した人、
ネットワークの組織(事務局が在宅介護支援センター)
テレビを見た人も多いと思いますが、市原から行政視察をした前日 NHKで丁度全国放送したということで、その模様を見せていただきました。
福祉ネットワーク:徘徊模擬訓練、 NHK総合で8月31日放送
認知症が怖くて、もし認知症になっても、地域で取り組みが始まる。
地域で考える認知症、安心して暮らせる、行方不明になるお年寄り、年間〇人
認知症向かい合う取り組み「安心して出かけられる街づくり」家族で看きれるものではない、大牟田の取り組み徘徊模擬訓練
最初に身体的、着衣、年齢、などの特徴を把握するため細かい情報を家族から集める、同時に個人情報を公開してよいか家族に確認して、行方不明者の情報を「どれだけ多くに人にすばやく流せるか」
コンビニ、花や、タクシー会社、など・・捜索が始まる、徘徊者に声をかけ行き先を聞く、なかなか声をかけにくい、関心を持っていない住民にどれほど知らせるか、訓練に参加しているタクシー、覆面パトカーも気がつかない、中学区の野球部の子供がそれらしい人を見かけた、認知症は懐かしいところに行くという、「関心がない」、反省会では、沢山の訓練参加者がいたが、『勇気がない人が沢山いる』
以上が二回目の徘徊訓練の様子。
徘徊役の人も3人作り、模擬訓練を『声かけのテーマ』SOSネットワーク、大牟田市も警察が消極的であったが、最初に情報が警察に来る、確認して家族に個人情報を流して良いか、市役所にも最初の情報、地元の中学のドイツの国際会議に参加し、世界に発表した、超えかけ、優しく声をかける、最初に認知症を見守る、地域の課題、認知症だけでなく、子育て、色々地域の課題がある、市役所がタッチしないでも地域の集まりが茶話会、街づくりにゴールはなかです。できることから始めましょう。
「認知症早期発見・相談・支援サポート体制」、医師会の敷居が高いワークショップかかりつけの医師に最初に相談に乗るので、医師会にも参加を求める、コーディネーター、早期発見、相談システム、
17年度から
大牟田市の認知症早期発見・診断・支援サービス
物忘れ早期発見・相談コーナー、9月10日実施した『みんなの健康点』244人スクリーニング30人(12,3%)
以上が僕のメモで整理すればよいのでしょうが、下手に整理しても勘違いより、皆さんで追加補正してください。
質問で、私から、徘徊老人の個人情報どうしますか、と質問したところ、ムニャムニャという返事であり、あまり杓子定規にならないようです。
(*財政力指数、基準財政収入額:市町村では、当年度の収入見込み額の75%:を基準財政需要額で割り算した過去3年の平均値)