2006年11月02日

日本人の規範意識・「なぁーなぁー」体制

少々、小難しい話ですが、「日本人の規範意識」はどうなっているのでしょうかね。9月議会でも喋っていたのですが、横断歩道脇で、歩行者が車の止まるのを待っていても、殆どの車が止まらないし、制限速度40q/hのところも殆どの車が60`以上で走っています。

昨日視察の帰り、羽田からアクアライン・バスの一番前の席を陣取り帰宅しました。トンネルの中で、何度も「速度落とせ」の表示が出てもバスは、制限速度80`のところを100`で軽快に走っていました。五井まで45分が所要時間ですから、定期便の運行自体速度超過で組まれているのです。

トンネルの中も80`は安全で、100キロでは危険だという理由もないでしょうから、最初から速度規制自体がおかしいのですよね。以前アメリカからの対日要求で高速道路でのバイクの二人乗りの禁止が解除されましたが、日本では不合理な規制というのは、社会のあらゆる場面で存在し、国民全てが、この不合理な規制を平気で無視して、社会全体が動いているように思います。

偶に一罰百戒でルールの存在自体が知らされますが、基本的には「依らしむべし、知らしむべからず」(国民を支配するには、権力に全てを委ねさせ、国の掟は国民に知らせるな、と言う事でしょう)で国のルールが存在し運営されているようです。

それでも、最近では談合問題等アメリカからの影響を受け、徐々にルール無視が問題である、というような雰囲気になってきたようです。枚挙に暇がありませんが、中央官庁を筆頭に、トップの日銀ら金融機関、隠蔽体質(公害、欠陥、事故)の民間大企業、警察の裏金作り、保険会社の不払い、などなど「コンプライアンス」などといっていますが、要は「規範意識の欠如」ですが、これは日本全体に蔓延しています。

この原因は何処にあるのでしょうか、と常々考えていたところ、最近の「高校の必修科目逃れ」問題が出てきました。子供たちは学習指導要領の中身など知らないでしょうから、子供に罪はないのですが、良い大学に入るため、予備校と化した高校に入学して専ら受験教育を受け、知らない(?)間にルール無視の恩恵というか、利益を受け、一流大学から、さらに一流企業、高級官僚になっていたのですね。多分、その人たちの親もそうだったのでしょうかね

日本人は相互批判の習慣には不慣れですが、ひょっとすると、社会の上層部にいる人たちは、今の自分があるのは高校受験(もっと前?)からルール無視をしたお蔭である、と思ってはいないでしょうか。頭の良い連中ですから自分たちが必修科目を受けないのに単位を取得して卒業したことは十分知っているでしょうね。そうであれば、もし自分が他人様に何かを言うとき、必ず自分に何か跳ね返ると考えたら、「なぁーなぁー」となりますかね。

最近は道路の駐車禁止なども厳しくなり、ルールを守れ!との圧力が強くなりましたから、段々良くなるでしょうか、期待します。あとは子供の虐待などに見られる社会現象がなくなれば良いですね。これなど、「俺の子供」の観念から「子供は社会の宝である」と考えを改め、虐待した親からは親権を剥奪し(取り上げ)然るべき施設(児童養護施設など)できちんと教育する。

あとは、社会全体のルールを合理的なものに改正して「ルール違反を厳しく取り締まる」、メリハリを効かせることが必要です。

今回の必修逃れに対し公明党は自民党に圧力をかけ、70時間を50時間にする「現実的対応」などといっていますが、良いじゃないか、全てを履修させ、立派に卒業させれば、そうでなければ学習指導要領なんて全く不要で、正直者が馬鹿をみて、千葉県の公立高校をでた人が不利でしょう。不公平で利益を得た(得ようとしている)人達に対して「現実的対応」とは不公正を温存することになります。ルール無視の根本「なぁーなぁー」体制の温存は許せませんね。

posted by やすかね at 15:49| 千葉 ☁| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする