2012年01月26日

裁判官は綺麗好きです

某有力保守党政治家が、仲間の政治家に対し右翼の街宣活動を中止させやるから金を払え、そうしないとあんたの選挙区でガンガンやる。やられるとアンタ次の選挙が大変だなどと「恐喝」した事件がありました。

証拠上は明らかに被害者である原告が有利ですが、裁判所では地方裁判所でも高等裁判所も共に請求を認めてくれませんでした。第一審判決後、「裁判官は綺麗好きだから、このような政治家の、一般人から見ると観たくもない事件なんか、その結論はどうでも良いんだよ。」とつぶやきましたが、高等裁判所の裁判官もやはり同様でした。

高等裁判所では、原告の外にもう一人350万円を脅し取られた現職議員の陳述書も提出したのに対し、被告は『時機に遅れた攻撃防御方法だ。』などと反論はしたものの、その内容が間違っているなどと言えませんでした。結局、証拠上明らかに原告有利であるのにも関わらず裁判所は、被告に対し支払った金を返せとは言ってくれませんでした。

民法の冒頭に「私権は、公共の福祉に適合しなければならない。権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行なわなければならない。権利の濫用はこれを許さない。」と定め、この条文は「信義誠実の原則、権利の濫用は許さない。」と言われ、法解釈の大原則となっています。

最近少なくなりましたが、ヤミ金から高利で金を借りて一定金額の「利息」の支払をしたような場合、かねてから私達弁護士が「10日に1割などというような犯罪行為になるような金の貸し方をした場合には、貸した付けた金は『不法原因給付』であるから返済しなくて良い。また利息として支払った金銭は、もともと返さなくて良い金銭に対してのものだから、法律上の原因がないまま支払った金銭(『利息』)だから返還をさせることができる。」と頑張っていたところ、最高裁判所も最近『ヤミ金などから借りたものは返さなくて良い。利息として支払った金銭は返還を求めることができる。』と判断するようになりました。

要するに、「覚せい剤を買ってきてくれ。」とお金を渡した者は、その金をネコババされても仕方がない、法律が関与することではない、という事です。
法律の救済を受けるものは自らクリーンでなければならない、「クリーンハンズの原則」という事です。この原則に反する「社会活動」の中では法律は関わりを持たない、また犯罪行為の被害者に対し、国家は「司法が法に従って、アダ討ちをするから、自力救済を禁止する。」と宣言します。

これを裏から言うと国家が救済を行わない範疇では自力救済でも何でもやれ、とまでは言えませんが、国家は汚いことには手を染めない、これがまた法を担うエリート法曹の感覚です。皆さん!神の手に近い、法の救済を求めるなら、常にわが身を潔白にしておかなければ成らないのです。ですから、儲けようとして損をしても誰も救ってくれませんよ。と言うことです。

今回の裁判を振り返って感想を述べますと、政治家とヤクザを一緒にすると叱られますが、結局法律家、特に裁判官は、政治家はヤクザの親戚と考えている、と思っておけば間違いはないということです。『悪い奴程よく眠る』という映画がありましたかね。悪党になるならトコトン大物になる必要がありそうです。
posted by やすかね at 14:40| 千葉 ☀| Comment(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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