2006年09月12日

欺瞞だらけ「貸金業法」と「利息制限法」改正

現在、貸金業規正法について自民党内で議論が盛んになっています。要するに改正の趣旨は「多重債務問題の根絶」でしたが、今月5日の自民党の改正案は「灰色金利」を撤廃するものの、特例措置が盛り込まれ内部からも批判続出でまた、検討しなおしとなったようです。

5日の案は、結局一番の問題のあるところに特例措置、即ち30万円とか50万円を1年以内なら年28%の金利を認める特例が最長9年(施行まで1年、経過措置3年、さらに小額短期5年)となるなど批判が続出しました。

多重債務者を現場で扱っている我々は、現在サラ金業者からの過払い金返還訴訟をたくさん抱えています。要するに利息制限法に違反する高利業者から長年払いすぎた利息の返還を求めているのです。その金額は大手4社でこの一年間に1500億円との報道もありました。4月28日付け朝日は、アコムの06年3月決算で前年比19.5%減の、それでも655億円の当期利益(営業収益は2.6%増の4454億円)と報道しています。

法で「多重債務者問題」とか「グレーゾーン撤廃」と言われ、改正案の中に契約書中に「任意の支払です」などと記載させるのは、この過払い金の発生を阻止すべくサラ金業界(全国貸金業政治連盟)が04年、自民党、民主党などへ政治献金を渡し、政界工作を繰り返した結果(昨年10月2日赤旗)なのです。

また、在日米国商工会議所(The American Chamber of Commerce in Japan)意見書は「貸金業の改正を」(Modernize the Money Lending Business Law)とする文書(対訳付きA4文書3枚)を出して圧力をかけているのです。この米国資料については、9月6日付け朝日がACCJの「日本の金利低い」資料に疑問と題して批判しています。

この様なグレーゾーン金利の問題は「最高裁、当ったり前の判決」(喜怒哀楽44n)前後に書いてありますので、ご参照下さい。

そこで、今回の改正案見直しが出てきたのです。ところがですよ、私が新聞を切り抜いている範囲では、未だ誰も論じていない重大論点が隠されているのです。

実は、警察庁のまとめでは05年の自殺者は3万2552人中、経済的理由(殆ど借金であろう)を理由とする自殺者は7756人、また9月7日付け産経は、アコム、アイフル、武富士、三洋信販の5社で債務者が自殺したことを理由にして保険金で3649件債権回収したそうです。

仕事を通じて感ずる身近なところで借金を苦にした自殺で多いのが、旧商工ファンドなどのいわゆる商工ローンなのですが、この旧商工ファンド(現SFCG)は、最高裁が、貸金業社が利益を上げられる根拠となる「みなし弁済規定」を事実上無効としてからは、しおらしく100万円を超える貸し付けは、利息制限法の上限15%で貸付けを行い、債務者が弁護士に相談しても弁護士などから文句を言わせないような対策を既に取っているのです。それでも十分経営を維持できているのです。

今回の改正案は、10万円、100万円二段階で適用される10万円以上18%、100万円以上15%の金利適用区分を50万円以上18%、500万円以上15%に変更(増額)しようとしています。分かり易く言いますと、これまでなら100万円以上の貸し付けに対しては15%の金利であったものが、500万円までなら18%の金利を取れるように仕組んでいるのです。

SFCGなどは、殆ど100万円以上500万円ほどの貸付ですから、SFCGは現在の15%の貸付をすべて18%にするでしょうね。この結果、貸付残高約3400億円のSFCGは、今回の法律の改正案が成立すれば、濡れ手の粟の年100億円以上の収益増となるのです。

これなら、金貸しは自民党などに裏で10億20億「献金」しても痛くも痒くもないのです。多くの新聞テレビで特例の問題点を論じているのですが、自殺者を一番出している商工ローンの利益が出るように利息制限法の改正(此れだけで良い)をしようとしているのです。

商工ローンなどは、銀行からまた銀行と連携してせいぜい5%ほどで借り入れてこれを年18%、その差額は膨大な利益を生むのです。ですからアメリカの金貸しも日本のサラ金を買収するだけでなく、日本の利息制限法の改正にまで口を出してきているのです。許せない連中ですね!
posted by やすかね at 16:48| 千葉 ☁| 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする