2006年06月27日

世界に通ずる世襲制ってある?

今日の新聞記事には、興味を引くお金にまつわる話が3件ほどありました。
第一には国税収入が00年度以来の高水準で当初予算44兆70億円に比べ、約5兆円多い49兆円となり、今後の増税論議に勢いを増しそうであるということです。

次は、金額自体は比べれば大きくはありませんが、千葉県弁護士会の秋田弁護士が依頼者に返金すべきお金を長期間返済しないで10ヶ月間の業務停止の重い懲戒処分を受けたとの報道がありました。自分たちの足下の信頼を損ない、蛸が自分の足を食うようです。

最後は、桁違いの寄付ということで、世界第二位の大富豪が慈善財団に4兆円の寄付をしたということです。

先日、右手にソロバン左手に道徳(論語)などと書きましたが、4兆円の寄付をしたバフェット氏は、主に株式投資で巨額の富を手に入れ、コカコーラなど米国を代表する企業の大株主となっているそうで、同氏は「相続は2020年の五輪代表選手を2000年の五輪金メダリストの子供から選ぶようなものだ」と資産家の子供が相続によって生れながらに裕福となる仕組みに批判的であり、この信念を実行に移したようです。

同氏は「オハマの賢人」と呼ばれ未だにネブラスカ州オハマの質素な自宅に住み続けている事でも知られているそうです。

口で言うはともかく、実行は大変ですが、それができるのはすごいことです。わが国の財界人で有名な人としては、一代で500余りの会社を設立し、晩年は社会教育文化事業に力を注いだ渋沢栄一がいますが、彼が役人を辞めるときの上司であった井上馨候は「時機さえ来れば、野に下って思うままにやるも良かろう」と言ったそうですが、親友の玉乃世履(タマノセイリ)は、「・・商人になるのは金儲けの為かは知らぬが、世間から軽蔑を受けて一生役人に顎で使われるのだろう。・・」と忠告されたそうです。

これに対して渋沢は、「金儲けのために役人を辞めるのではない。実業家が現在のように卑屈で世間の尊敬を受けないのは、・・一つは商人のやり方が良くないからである。欧米では決してこうではない。不肖ながらこの悪習を改めるのに骨を折りたい。私は『論語』の半部で身を修め、半部で実業界を矯正したい。」と語ったそうです。

昨今は、金儲けのためエリート官僚を辞めて大多数の一般投資家を食い物にして外国財団に巨額の利益を挙げさせた金の亡者(村上)もいたり、またこの亡者の尻馬に乗っていながら日銀総裁を務めている恥知らずもいるのですが、バフェット氏の爪の垢でも煎じて飲めば良いのにと思います。

先日加藤寛氏が『格差は個人の努力しだい』と言っていたので、既に老境に入ったと非難したのですが、今の日本は既に機会の平等もなくなりつつあります。相続制度、世襲制は生れてくる個人の能力には関係ない非民主的制度ですが、この様な実力に関係のない制度を維持すること自体、人類が衰退の途に入った事ですかね。北朝鮮の将軍様が世襲制である事も同じように「金王朝」の衰退の印です。

しかし、わが国では未だに多くの代議士が世襲で国会議員になり、実力もないのに高額のギャラを稼ぐ芸能人などがいますが、世界に通ずるのでしょうかね。
日本もこれから世界に通ずる内閣総理大臣を選ぼうとしているのですが、安倍も福田も殆ど世襲ですね、これで世界に通ずる政治家になれたらすごいですね。

イチローも松井も個人の力量で世界に通ずる大リーガーとなっています。というようなことで締めくくりますが、最初の二件は今日の内容で言うと余り関係ないですね。筆が滑った、というか曲がったようですが、ご勘弁を。
posted by やすかね at 00:00| 千葉 ☀| 世相 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする