2006年06月06日

「紺屋の白袴」と「闇夜のカラス」

先日来マスコミを騒がしているのは、なんと言っても村上ファンドを主宰する村上世彰氏でしょう。ライブドアの株取得をめぐってのインサイダー取引容疑で昨日逮捕されました。

ライブドアがニッポン放送株を取得し、古い体質の日本の株式市場に殴り込みをかけたときは、私自身「ホリエモンの桶狭間」と持て囃したのですが、「数年間で、どうしてあれほどの資金ができたのか」と素朴な疑問が湧いたように、ホリエモンは、結局ライブドアの利益を粉飾して自社株を吊り上げ、濡れ手で粟の資金を使ってニッポン放送株を取得していたのですから、これは詐欺ですね。

ホリエモンに関連しての事件としては、その後は、もう名前も忘れましたが、アホなエリート国会議員の「偽メール事件」、そして今回の村上の逮捕と続き、わが国の資本市場をめぐる一連の「事件」は国政にも重大な影響を与えつつ収束を迎えようとしています。

現代は政治も経済もボーダレスとなっていますが、国際資本主義社会で今後も続くであろう膨大な資本の移動がどうなり、日本の政治経済にどんな影響が出るのか、さっぱり判りませんが、重大な問題であることは事実ですね。

村上は自ら「プロ中のプロが(法を)犯してしまった」と言っていますが、自らの理念である「株主の価値」の向上と、株価上昇につながる内部事情を知ってこれを悪用して株を売りく事(インサイダー取引)は、絶対相容れることはありません。

このインサイダー取引の一方には必ず損をさせられた多数の一般の株主がおり、退職金などで高い株を買わせられ、大きな損失を被っています。

村上氏は「金儲けは悪いことですか」と居直っていますが、村上ファンドは、この7年間で2000億円の利益を上げ、この6割がアメリカの大学財団に入ったということです。当然その一方でわが国の資本市場で2000億円の「損失」を受けた人が誰かは分かりませんが、いることは事実です。

即ち、村上氏のしたことは、わが国から莫大な儲けを吸い上げ、これをアメリカに流した事でしかありません。「株主の価値」を上げるどころか、わが国の真面目な人々から虎の子を取り上げ、多数の人の将来設計を狂わしながら、その反対側の外国の資本家に膨大な利益を引き渡したことでしかありません。

してみれば潔い「反省の記者会見」も、その真実は自らの責任を軽くしようと画策した姑息な手段でしょう。多くの人があのドングリ目玉にシリカゲルでもかけてやりたくなったと思います。

真っ白なつなぎ服に様々な色のペンキをつけている人をみれば、その人の職業は「ペンキ屋」に違いないと思いますが、あれは毎日の仕事のなかで少しずつ撥ねてしまったペンキの跡でしょうが、「プロ中のプロ」ともなれば、ペンキは貴重な仕事の材料ですから一滴たりとも違ったところには塗れません。

「プロ中のプロ」であれば、紺屋の白袴のようにプライドを持って、常に崇高な職業意識をもち自らの理想とする「株主の価値」の上昇を図るのが本来でした。その人が証券業界での一番の悪事であるインサイダー取引などを行い、その儲けを外国人の経営する財団に引き渡していたということは、古い言葉ですが「非国民」「売国奴」でしょうね。「紺屋の白袴」でなく、「闇夜のカラス」というところでしょうか。
posted by やすかね at 17:52| 千葉 ☁| 世相 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする