昨日、東京電力が中国に総額1兆円の投資をするとの報道がありました。
東電が中国に進出することでどれほど株主に利益が還元されるか不明ですが、この中国進出はわが国の国益に大いに反することと心配しています。
まず、火力発電ですので、二酸化炭素の排出が巨大になるであろうということが環境面での「きれいごと」です。
次に、言うまでもないことですが、アジアでのアメリカの影響力が減少する中で中国は自国の影響力拡大を図るでしょう。
特に電力は一国の基幹産業を進める上で不可欠の条件ですから、仮に東電の火力発電所が稼動を開始すると中国の国力は一気に拡大することです。
最近の尖閣列島の領有権とか、日本の経済水域でのガス田開発などを見ても中国はえげつなくどこまでも自国中心の利益を求めてきます。
予てより、中国は日本との協議もないまま日本の経済水域の境界線上で海底ガス田の開発をしており、日本が「協議」を申し入れてもシカトしていたのですが、メキシコ湾でのBPの海底油田の事故から海底油田の開発が巨大なリスクがあることが「判明」するや、途端にわが国との協議に応ずるなど、所詮は自国の利益だけを追求します。
中国漁船の拿捕についても抗議の仕方が尋常ではありません。
いくつかの例を出すまでもなく、中国の「国策」である「覇権主義」を知っていれば、中国の基幹産業に対する「援助」と取れる資本投下をすることは愚の骨頂です。
数年後、東電が資本投下した火力発電所が順調に稼動を始めれば、中国は東電の利益が大きいとか二酸化炭素の排出が大きいとか、原料となる中国の石炭の値上げをするなど言ったように、何かにつけて東電の経営に文句をつけ、最後は火力発電所の所有権まで主張するようになることは必至です。
日本はこれまで、外交というか民間外交上も建築士の国際基準(日本の一級建築士は国際的に二級扱い)とか弁護士資格(外弁が日本弁護士をイソ弁とする)、公認会計士(特に会計基準のでたらめさ)の知的職業に関しての国策的誤りなど、わが国の数十年先を考えたとき「大失敗」を繰り返しています。
この様に大雑把にわが国の基本政策を考えて見ますと、今回の東電の進出には国土交通省の関与もあると考えますが、「優秀な」東電の役員も国家公務員も国立大学で勉強した「知識偏重」の「エリート集団」では本当のわが国の国益を理解できないのか、と心配になります。
2010年09月14日
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