2010年06月14日

洗濯の科学

私のブログで、この2年間ほど読者が多いものが「電子レンジ・焼き芋」などでヒットする「簡単な石焼き芋の作り方」です。最近は夏場になりましたが、それでも毎日50件ほどアクセスがあります。

そこで、今日は「手軽で上手なワイシャツの洗い方」です。少々押し付けがましいのですが、何でも本質に迫ることが物事を上手にできるコツで、何事につけ原理原則から考える習慣をつけていますと、今まで経験がないとか、全く知らないことでも何とか解決できる糸口が見つかり「応用力」が要請されます。そこで、先ず理屈から始まります。ご面倒な方はすっとばしてどうぞ。

洗濯ですから、大事なことは「汚れ」ですね。これは油汚れとか、ほこり、汗、カビなど多種多様です。この点は洗剤メーカーのホームページなどでご紹介があるかも知れません。その外、タバコの臭いとか、キャバクラの「香水」の香りなど、少々「やばい」モノもあります。

結論を申しますと「汚れ」は、ねじれた繊維の中に「存在」し繊維と混じりあってはいない物(水に溶けない固形物、油、汗)とか、細い繊維の表面に「吸着」している化学物質などではないでしょうか。

繊維を叩けば繊維から離れる固形物などは問題ないでしょうが、たぶん多くの「汚れは」油とか汗の類でしょうね。これ等がワイシャツの全体についているとかと言うとそんなことはありません。襟と袖口が主たる汚れでしょうから、これを洗濯機にいれて何分もまわし続けるのは、電気と水の無駄遣いだけでなく、ワイシャツ自体を傷めてしまいます。

洗濯機でグルグル回す洗濯の弊害はクリーニングに出しても変らないと思います。私も何年もクリーニングに出してきたのですが、トリクロロエチレンなどの「洗剤」は環境にも悪いし、何より自分のワイシャツがどこの誰かも分からない人のズボン・作業着などと一緒にぐるぐる回されているところを想像し、またあのクリーニング独特の臭い、しかも襟とか袖口が一年も経つと汚れが落ちなくなってしまいます。

そのようなことから最近では、自分でワイシャツだけでなく、綿パン、Tシャツ、帽子なども全て手洗いをしてさらにのりを付けアイロンがけをして、最後はビニールの袋にきちんと畳んで一丁上がりです。

そこで、洗濯ですが、わが国の水は硬水が強いヨーロッパと異なりあまりビルダー(洗剤助剤で硬水・金属封鎖剤)の必要はないとしても洗浄力アップには冷水でなく温水が優れていますので、少々熱いお湯に液体洗剤を少々入れ、その中でワイシャツ全体を簡単に押し洗い(一枚1分程度)します。次いで襟と袖に固形石鹸をつけ、局部的にもみ洗いします。このことにより繊維の中の汚れを石鹸で溶かし、繊維のねじれた部分から押し出すのです。歯ブラシなどを使いますと繊維をいためますので、指先で落としてください。

さらにひどい汚れが残ったときは、塩素系の漂白剤をほんの少々(2CC位)コップなどに入れ、水で薄めて麺棒を浸し、これで汚れの部分を叩いてください。注意深く観察しながらシミが消えたら直ちに流水で流してください。

その後すすぎとなりますが、すすぎは繊維の奥にある石鹸の残りを取り除くことなのですが、このとき水の節約にご配慮願います。

例えば1CCのインクの汚れを百CCの水で薄め、これを脱水槽で20秒ほど絞って1CCになったとしますと、「汚れ」は大体100分の1になりますが、これでは水の節約にはなりません。1CCの水を最初半分の50CCの水で薄めて、これを1CCまで絞りさらに50CCの水で薄めてさらに1CCに絞りますと、「汚れ」は同じ水の量で約2500分の1になります。水を半分に分けて2回濯ぎますと濯ぎの効果は25倍になるのです。

百CCの水で3分の1ずつ3回濯いだとしますとなんと(約33×33×33=35937)約36000
分の1、同じ水の量で濯いでも1回のすすぎに比べその効果は実に360倍になります。単純計算ですが、2槽式(全自動はもったいない)の洗濯機を使い、水につけては20秒絞る動作を繰り返しますと、何も考えずに水道水を流し続けたすすぎの無駄が判明します。洗濯機でまわすことなく、ワイシャツを水につけて絞る動作を4〜5回繰り返しますと十分すぎるほどの濯ぎが完了します。

汚れを目視して、そこだけを集中的に洗濯して、少量の水で数学的に濯ぐことで洗濯の科学が完了です。

あとは糊付けとアイロンですね。その前に洗濯リングに干す必要がありますが、ワイシャツは脇の下をつまんで干しますと、アイロンのときにも問題が少ないですね。(アイロンかけは、脇の下にシワが残る)
posted by やすかね at 17:36| 千葉 ☔| Comment(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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