新一年生は、今まで集団での行動も殆どなかったと思うのですが、入学式の冒頭に『新一年生起立!と言われたら一年生は立ってください。』『礼!といわれたら、お辞儀をしてください。』『一年生着席!と言われたら、座ってください。』と教えられ、全員が見事にできていました。まさに戸田小の出発点がここにあるようでした。
校長先生の歓迎ご挨拶の途中で『元気よく挨拶をしてください。』と言われたのに対し大きな声で『はぁーい』と返事をした子どももいて、ちょっと楽しい雰囲気があり、校長先生のご挨拶の最後には、全員で声高く『ハーイ』と元気の良い返事が聞こえました。
次に、戸田小の入学式で毎年恒例となっているのが、2年生によるパフォーマンスです。まだまだ幼かった昨年の新一年生が、今度は立場を変えて新一年生に対し、給食がおいしいよ、勉強も楽しいよ、足し算もできるよ、漢字もかけるよ、蛙倒立ができるよ、マット運動もできるよ、縄跳びもできるよ、と合唱を交えての歓迎は、頼りなかったあの一年生が僅か一年間でこれほどまでに成長できるものか,と思うと目頭が熱くなりました。
教育の効果、などというと大仰な言い方ですが、起立のある行動、元気良く返事ができることが教育の出発点でしょうし、教育の原点は間違いなく、戸田小にあることが実感できました。
伝統ある戸田小の校歌には
1「繁(も)ゆる、みどりの南総にアテネの昔、偲(しの)ぶなる、若き命はみなぎりて、四肢(しし)に波うつ我が健児」
2「高き文化に咲く花も強き体躯(たいく)に芽ばえてん、先ず身を鍛え、礼に生き、学に勤しむ、わが健児」
3「剛毅(ごうき)の心貫けば、国歩の難も乗り越えん、体育戸田の名に誇る、誉(ほまれ)は永久(とわ)にわが健児」
と謳われ、「無知の知」の哲学者ソクラテスの住んだアテネから始まり、文化にも体が基本であり、礼に生き、そして学ぶものであり、最後は強い心があればこそ、国家の難事も乗り越えられるのが、戸田体育の誇りである、と結んでいます。少々解釈が独善かも知れませんが、素晴しい自慢のできる我が母校です。
最近、知識偏重より、最初に道徳教育のほうを重視すべきであると言われてきましたが、確かに日常生活では、中学生の知識もあまり必要ないですから、知識より道徳のほうが社会を健全にするでしょうね。しかし、さらに大切なのが剛毅の心を持った四肢に波打つ健全な体躯が、教育の出発点ではないでしょうか。
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