2010年04月05日

法的権利の実現は難しいですね

自分では全く見る気もしないのですが,インターネットで自分の名前を隠したままで,誰彼なく名誉毀損の事実とか意見などを「自由」に発表できる「2ちゃんねる」というのがあるそうです。 

今日の新聞報道(朝日4月5日)では,この2ちゃんねるに対し損害賠償請求を行い,裁判所から支払い命令を受けても応じなかった西村博之氏に対して,この賠償金の一部について印税を支払う出版社からの回収に成功したそうです。
今日の報道は,当たり前である賠償金の回収,それも僅かの金額について成功したことが新聞で報道されるように,法治国家の現実は,勝利判決があっても,被告に対する強制執行ができないことが実に多くあります。

国家権力は,私人による自力救済を禁止する一方で,執行官という国家権力を行使して債務者に対する強制執行を行い,法に基づく権利(判決)が実現される手続きを採用しているのです。

ところが,この手続きの大前提として,被告である債務者の財産の所在が明らかでなければなりません。

多くの国民は,裁判なんて一生に一度あるかないかですが,弁護士など他人の権利義務の履行に関し,日常的に関与していますと,国家権力によって正当な権利があると認められても,この権利に対して義務のある債務者が実は,財産はあるものの隠匿(家族名義など)してしまって,執行官にもどうしようもないことは日常茶飯事です。

こうなってきますと,国家権力の権威は地に落ち,自力救済の動きが出てきます。必殺仕事人とか必殺仕置人さらには国際的にはゴルゴ13などが「正義」を実現するヒーローとなってきます。ヤクザとかマフィアなどが暗躍する下地ができてしまいます。

ですから,「法治国家」を標榜して国民の自力救済を禁止するのであれば,国は徹底して債務者の財産隠匿を許さない断固とした法的整備が必要です。
現在,強制執行が不十分なとき,平成16年から債権者は裁判所に債務者の「財産開示手続き」などを求めることもできますが,これとても不十分であり,債務者が自分の財産を隠匿しても証拠がありませんと,強制執行妨害などの刑事手続きにまで進行することは大変です。

とにかく,親族などに贈与するなどされた「隠匿財産」をどこまででも追及する手続きがあり,この権力の行使に対して「妨害」があった場合には,国家刑罰権を用いてでも債権者の正当な権利を確保しなければ,国家権力の権威は失墜します。

具体的にどの様な制度かといいますと,現在,民主党政権下で税金徴収のため国民総背番号制などの導入が検討されていますが,債権者の正当な請求に対し理由なく債務を履行しない債務者に対し,背番号を用いて,債務者の名前とか家族の名前で銀行預金など全てを明らかにさせる手続きを完備すべきでしょうし,また昔の不在地主ではありませんが,所在の明らかでない人間の預金など全て国庫に帰属させてもいいのではないでしょうか。

債務者の資産調査にしても,その収入から正当な支出を算出し,親族などへの贈与などは,相当期間経過後でも否認することが必要です。本来他人に対して支払い義務あるものが,身内に贈与などすることはもってのほかだからです。
そうすれば,裁判の権威も増大しますし,何よりも国民が「約束は守らなければならない。」と肝に銘ずることになるでしょう。

正しくない方法で蓄財しても,これが自分の財産的権利であるなどと主張する「自由」はないことをはっきりと明言し,最後は刑罰権(執行妨害罪)をもってしても法で認めた権利の確保を図らなければならないと思います。

そうすることにより,最終的には,法に違反して高利貸しを行って莫大な資産を蓄えた輩とか「金融デリバティブ」商品などという訳の分からないものを「発明」して大儲けをした連中を許さない,という社会的合意もできるのではないでしょうか。「詐欺」を働いたような人間が,死ぬ(死後は家族)まで,お天道様の下を闊歩する時代が続くのはおかしいとは思いませんか。

誰ですかね,言っていましたが「日銀は一万円札しか印刷できないが,ゴルフ預託金などは,一度に500万円1000万円でも自由に印刷できた。」のです。
posted by やすかね at 16:02| 千葉 🌁| Comment(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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