2010年02月13日

最後は結果が大事さ!裁判員制度の無駄

「人間がある対象を認識することで、はじめてその対象は実在のものとして出現する。」逆に言えば「人間は、自分のもつ認識方法でしか、対象を認識できない。」などというと、『なんだ、お前は観念論者か。』とお叱りをうけそうであるが 、そもそも私たちは、客観的存在としての「真実」をいかなる関係で議論していることになるのでしょうか。

世界中の人間を動物を地球を対象にして「こと」を論じているのでしょうか。そうではないでしょう。必ず自分の近くにいる、自分に関係している「その人を」対象にして「こと」を論じていると思います。そうしますと、客観世界は本当は主観的なものです。

我が家の愛犬は、主人の存在と食べ物と居心地のよいソファーしか自分の認識対象としていないでしょう。主人が大学教授だろうが、弁護士であろうが、窃盗犯人であろうが、これはまったく関係のないことでしょう。

何時でしたかね、感動的な場面に出っくわしたことがありました。そこは、問屋町の交差点近くで、リヤカーに自転車をつないで必死に引っ張っている、ぼろやと言ったら叱られますかね、とにかくダンボールとか古新聞などをリヤカーの荷台に山のように積んで運ぶ人の先に柴犬の雑種と思われる中型犬が、頭を前にぐっと突き出し、4本の足を踏ん張りながら、リヤカーにつながれ、自分の首に巻かれたロープを一生懸命引っ張っていました。
主人は自転車を愛犬はロープを共に力いっぱい「仕事」をするさまは、10年以上昔のことですが、忘れられない場面です。

僕は、この犬と主人が必死に生きている現場に居合わせ、しばし見とれてしまいました。人間の幸せとか、愛犬のしあわせとか言うものは、腹いっぱい食えるダイエット・フードがあったり、エアコンの効いた部屋のソファーで寝そべり、肥満体質で短い命をつないでいることではないのではないか、自分の見える世界の中で、力を合わせ必死に生きているのが、充実した時間のすごし方ではないであろうか、と思います。

今日は、間もなく配達される新聞に載っているであろう、刑事司法の問題点、罪と罰などという「高尚」なことを論じつつ、裁判員裁判での事実認定の問題点について書こうと思い「客観的真実とはなにか」などと、パソコンの前に早朝4時前に座ったのですが、導入部分を色々考えているうちに、人間の認識がどうあるべきか、現実の裁判の報告などと言うことが実につまらないものであることが判明してしまい、脱線してしまいました。ということです、しばしお付き合いを、裁判員裁判については後日報告します。

と言う事・・ど・ど・どういうことかといいますと刑法とか刑事訴訟法などという「精緻を極める法制度」といっても、今日の新聞で報道されているでしょうが、結局ユンボは盗まれず、被害者は4日間の治療を要する傷害を負っただけの「結果」しか存在しないにもかかわらず、実に膨大な手続きと多くの人の労力を費やす裁判員裁判があったと言うことです。

「国民の目線で、貴方の言葉で裁判を」などという心地よい言葉で、何百人もの裁判員予定者に通知を送り、回答を求め、アンケートに記入させ、これを「厳格な手続き」で6人に絞り(さらに2人の予備裁判員も)裁判官3人、検事4人、弁護人2人で約半年に及ぶ準備手続きのあと、連日開廷(8,9,10,12日)した結果が、4日間の怪我と懲役4年半の実刑です。(確かに犯罪行為は単純に結果だけでなく行為の違法性も問われるのですが、そうしますと被告人と主犯の関係、さらには被害者の行動などの検討が必要となりますので、とりあえず被害者の傷害を取り上げてあります。)

犯人を一年刑務所に収容すると少なくとも数千万円の国費が必要でしょう。その前に裁判手続きに関連する警察の捜査、さらには裁判員裁判での費用など考えると頭が痛くなるほどであるにもかかわらず、「全体の結果」は窃盗未遂で、唯一の被害者とも言える人の怪我は4日間でした。あーあー馬鹿馬鹿しい。

犯罪と刑罰のバランスを考えたとき、起訴独占主義(犯罪と結果、証拠、犯人の状況、社会に与える影響などを考え、この犯人を正式の裁判にかけるか、釈放するか、罰金とするかなど諸般の状況を考え、判断する権限を検察官という組織に任せる制度)と言う検察官の職務権限とその後の膨大な労力をどうしたら良いのでしょうか。膨大な無駄遣い以外の何ものでもありません。

いかなる精緻な法制度と議論を展開したとしても、その結果が4日間の怪我と懲役4年半、は一体ナンナンでしょうね。所詮人間の認識と合理的判断の結果はこれほどの不合理でした。ということです。おしまい。
posted by やすかね at 05:51| 千葉 ☁| Comment(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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