2009年12月06日

政治家の信念と時代の変化

今日は、選挙民と議員との関係さらに北方領土の返還について試論を書きます。

まず、議員としての本来の職務は何でしょうか。これは難しい問題だと考えております。簡単に二元代表などと言う方もいますが、抽象論を論じても、これだけでは何の解決にもなりません。

国の場合で言いますと、これまでは、国会議員は、例えば、自分の選挙区に道路予算を持ってくる、そのために地元の陳情窓口となって担当する役所に紹介する。これが次の選挙を有利にすすめる重要な仕事です。結局憲法に定める国会議員の性格として「全国民の代表」の考え方とは程遠いものとなります。

国会議員の重要な仕事がこの様なものでしたから、国家百年の計など持つ政治家は出てきませんし、仮に志を持っていていても次の選挙のことを考えると、残念ながら志を持つ政治家も信念をもって政治活動ができるものではありません。
やはり現実の政治は、選挙民と政治家の相互関係のなかで進めるしかありませんし、当選回数を重ねるごとにあるべき政治家の理想から離れてゆくしかないと思われます。

明治31年、台湾統治の仕事を始めた後藤新平は、医者として生物学的立場から、その地域の慣習や制度はそれなりの必要性から生まれたものと考え、台湾でのそれまでの枠組みを一挙に変えようとすると大きな抵抗が生じると考えていたということですが、これは「現実的なものは全て合理的である。」と述べた哲学者ヘーゲルも大体同じ考えかたです。
この様な観点から見ると、これまでのわが国の国会議員の議員活動も、ある種の必要性から存在したものですから、それなりの合理性を持っていたと思います。

ですから、一時『抵抗勢力』などと言う言葉がはやっていましたが、国会議員の仕事から市議会議員の仕事についての考え方を理屈の観点からだけ論じ、結論を押し付けようとすれば必ずや大きな抵抗にあいます。

その意味でこれまでの議員の仕事内容というかカッコつきの政治活動は、選挙民の要望に沿ったものであったといわざるを得ませんし、またそれがわが国の民主主義のレベルであったといわざるを得ないでしょう。

しかし、21世紀を迎え、世界的に政治経済の先行きが不透明になった、すなわち政治経済も停滞というより後退をはじめた思われる現在、政治も経済も変化なくては発展できる将来はないと思います。今の状況では後退するしかないのですから、今までの仕組み枠組みを変えるしかないのです。大胆に変化するしか、政治も経済も発展することはできません。

その意味で、いつの時代でも最後まで生き残るためには、強いとか知恵があるということではありません。与えられた環境に順応してゆく柔軟性こそが生き残るための条件です。歴史の進歩の中で変化できないものは絶滅してゆくしかありません。
ゴキブリは、きっと数億年の地球環境の変化に対応できる、ものすごい柔軟性を持っていることと思います。ダーウィンの進化論はこの様なことを教えていると思います。

しかし、このことは、歴史の進歩が見えずにその時々の権力者に追従する変節漢で良いということではありません。たまには、その時々のキャスチングボードを握り上手に世間を渡りきる人もないではありませんが、多くの人から信用されない人でしょうし、利用価値がなくなればポイと捨てられる運命でしょう。

幕末の幕臣榎本武揚(タケアキ1836年御徒町生まれ)は、19歳で樺太探検に参加し、幕府の海軍強化のため29歳から4年間オランダに留学し、明治維新の前年に帰国し、戊辰戦争の最終幕であった函館五稜郭の戦いで最後まで戦ったそうですが、その後明治5年の特赦で出獄し、その後ロシアの脅威が強まったなかで明治8年千島樺太交換条約を締結したそうですが、権力におもねることなく国家百年の計を考えながら生きた政治家だったと感激しています。

民主党政権になった今、世界の政治経済状況は大きく変化していますし、戦後初めてと言うほど国民の間で、わが国の国家戦略としての日米関係を真剣に考え始めたと思います。
これまでわが国はアメリカとの同盟関係の中で経済的に大きく発展してきたのですが、ここに来てはじめて世界政治の中での国家戦略を考え始めたと思います。

今の日米関係とアジア・ヨーロッパを含めた世界の政治力学の中で、今の日本は非常に面白い立場にあると思います。そこで、一日も早い北方領土返還を実現するためには、微妙な大国の力学のなかで、北方領土返還に対する国民の意識統一を行ってロシアと交渉する必要があります。

数年後の大河ドラマの主人公に榎本武揚をおいて、幕末から明治の世界の政治状況を論じる中で政治家のあり方、北方領土の歴史について国民の思いを一致させることができれば北方領土の返還が実現するのではないか、そんなことを考えています。
主人公榎本武揚の生き方と北方領土についての国民の意識が強く一つになったとき、ロシアも侵略の事実を認め、北方領土を返還するでしょう。鳩山首相の祖父とソ連との共同声明が生き返るでしょう。

posted by やすかね at 16:47| 千葉 ☀| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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