今回の議会では、初めて議案質疑をいたしました。これまで何度か、代表質問とか、個別質問と言う事で市政に関する一般質問という、抽象的なことは質問しました。その中で、AEDの設置などは、一般質問から直接出てきた一応の「成果」(必要性を指摘しておいたのですが、女子中学生が一人なくなり実現した。無念である。)でしょうが、全般的に興味をそそる様な問題はありませんでした。質問自体錬れていないかも知れないのですが、執行部の答弁は、極ありきたりの、「検討をします。」と言われて、その後を検証しても余り進歩していないからです。
その点議案質疑は、問題点を直接ぶつけますが、これは野党特に共産党が「専売特許」のようにするもので、「与党」は、執行部を攻撃するような感じなので余りしなかったようです。
しかし、今回は、加茂運動広場の用地買収を巡り、時価の10倍はするであろう高額での取得は、到底納得が行きませんでした。それに議案説明の際、虫食いとなる土地は、相続手続きだけを理由としていましたので、緑水会で値段のことを言い出したあと、常任委員会で「値段の折り合いが付かないところがある。」という極めて重大な問題が出てきたのです。これも、議案質疑をするということから出てきた事実であり、これは全く議会を馬鹿にしています。
昔、決算員会で某課長が「それでは、本当のことを言います。」などと「珍答弁」をしたと言う事を聞きましたが、今回も議案説明と言う手続きの中で、本来言うべき時に、言うべき事(義務がある)を言わない(不作為)で、重要事実を隠したまま終了したと言う事は、議案説明で「嘘の説明」という事ですから、その責任を問われるべきものでしょう。
ところで、1反650万円という、ベラボーな田んぼの値段は、ここではともかく、今日は、虫食いの土地を取得するリスクを言わせていただきます。
この点も、常任委員会で会派の宮原議員の説明に対し『10月頃には、契約できる』と言うような見通しを語ったようです。(だったら急ぐな!)それが相続手続きか、価額の折り合いをつけるのかは、依然として区別できませんが、とにかく11月になれば「目出度し、めでたし」となる予定のようです。
公共用地取得の際、全ての土地が取得できない事による事業執行上の障碍は、甚だ大きいものです。道路なら、ビンの首のように、なってしまい、道路としてはどうしようもないものです。この場合「土地は、わが国の領土の一部であり、この個人の所有地は、公共用地として必要である。」と言う強い決意で強制収用までするなら、また過去に何度もやっているなら、不心得物「ゴネ得」を許さず「公正」な事業が完成するのですが、「個人の権利を過度に尊重する。」曖昧な態度が、「ゴネ得」を許し、公共事業の遅れをもたらし、税金の無駄遣いを許す結果となるのです。
例えば、道路として、外の所有者からの協力を頂いたのに、一部ゴネル輩の「権利主張」を許すことは、正に「権利の濫用」です。なぜかと言いますと、どうしてもその土地でなければならない、という事は通常考えられず、仮にそのような時は、適宜代替地の用意と移転費用まで「補償の対象」となっているはずであるからです。
このように、公共事業を進める「公権力」が、虫食いで土地を取得しても収用法の適用を曖昧のまま、毅然とすることもなく、結果として税金の無駄遣いをしていることは、一納税者として、絶対許せないのです。虫食いで取得するならその責任を取るか、収容する覚悟がないなら、虫食いで土地を取得するな、という事です。
虫食い状態での最大の無駄遣いは、言うまでもなく成田空港でしょう。この問題では、わが国が国際的にも権力行使のだらしなさを見せてしまい、大きな信用を失ったことです。計画段階での非民主的な決定があったことから、30年以上経過した現在でも「完成」せず、グローバル化した現在ハブ空港の役割を韓国に取られ、国内便との連絡も不便な「不完全な空港」となっています。
これも「権力の無謬性」を現在に至るも貫いているから、未だ「未完成」なのです。わが国の歴史上これほど権力相手に戦った農民もいないでしょうが、それにしても、もう長すぎやしませんかね。いい加減で権力も自らの過ちを、過去を代表して認めたうえで、再度交渉するなどする必要もあるでしょう。
いずれにしても、この30年以上、成田中心にあれ程の「警備」を続けたことも、とんでもない税金の無駄遣いとしか言いようもありません。虫食い土地の買収の結果は、計り知れない損害です。しかし、この結果を齎した公務員は、何らの責任も取らず、退職金を受け取り、天下りもしたでしょうが、もう死んじゃったかも知れませんネ。
成田ほど大きな問題ではないですが、この市原には、佐久間市長誕生に影響したであろうと考えられる、姉崎森林公園の大問題があります。
これは、小出前市長誕生の直後、姉崎森林公園の計画が出てきたと記憶しています。計画が出てきた後は、公有地の拡大に関する法律で出来上がった土地公社を窓口にして、議会も市民も意見を差し挟むことの出来ない状況で恣意的といいますか、かなりの高額で、しかも虫食い状態での用地買収が行われたということです。
その結果、現在執行部が姉崎森林公園の事業を進めようとしている状況で著しい困難に遭遇しています。
ご承知のように、土地公社が既に高額(固定資産評価ではゼロとできませんから1円ですが、これを平米6万円以上だった?)で取得してあり、これは法的問題にできない状態に追い込まれたまま、しかも虫食い状態の土地を借地として事業を進めようとしています。
市役所の職員が、地権者から何とか土地を借り受けようとしたとき、地権者から必ず言われるであろう事が「俺の土地をなぜ買わないのだ」ということです。このように言われれば、職員も二の句が告けず、もはやこれ以上、交渉も事業も進めることが出来ないのです。
その結果、用地取得費とその間の利息、これに関与する職員の人件費などを考えますと、本市の負担したこれまでの費用は膨大なものとなっています。仮に膨大となっても完成して市民の利用に供することが出来るなら、まだしも、今のところ完成の見通しは立っておりません。
今回の、加茂運動広場用地取得はそれほど、量的には大きな問題ではありませんが、質的に考えれば、極めて大きな問題です。それ故、問題提起と言いますか、今の段階では、未だ仮契約であり、議会で議決されなければ、何んらの責任も発生していないです。これをどうして急ぐのか分かりません。執行部の説明でも「10月末までには契約できる。」と言うのであればなおのことです。この間に交渉して一反あたり200万円で再契約すれば1億円の節約ができるのです。
この様に、急ぐ必要もなく、しかも非常識な値段で虫食いの土地を買うリスクを負担するという事は大問題です。これを執行部の提案どおり、議決するのであれば市議会などいらないのです。執行部のことを賛成するだけなら、頭も使う必要がないのです。
長くなりますので、ぼちぼち終わりにしますが、この様な理由で我が緑水会では会派として「反対する」と決めたのです。そうしましたら、驚きました、こっちはもっと許せないので、いずれどこかで仕返しをするしかありませんが、トップが泉水代表との昔からの付き合いがあるという手繰り寄せ、情に訴え「何とか、反対しないでくれ」と頼み込んだのです。
どうしても決議が必要であり、議会の承認を得られないでは、教育行政を進めることができないとか、今年度の予算執行ができなくなる、などと言う重大事であるなら何とか議会を通過させようとして、議会対策をするなら分かりますが、今回は結論として、共産党まで含め、反対は緑水会だけ(実は、私一人だけが反対)でしたので、何もトップが出てきて牛刀を振り回す必要もなかったのです。結局、会派の二人は、会派を割るように、採決の際席を立って「賛成はしない」との態度表明に終わりました。
この議会、このように少し面白かったのですが、市長は鶏を裂くために牛刀を用い、大きな傷を残したのです。黙って賛成した「野党」が、このブログをどんな思いで、見ているのでしょうかね。ヘヘヘ、俺知らないよーダ。
【関連する記事】