第1 議案第68号について
議案第68号は、市原市墓地等の経営の許可に関する条例の一部を改正する条例の制定ですが、この条例の改正趣旨は、近隣市での許可基準の強化により、このままでは本市での宗教法人による事業型墓地の申請が急増して、周辺の生活環境や将来の土地利用への影響が懸念されると言うものです。
皆さんご承知のように、この様な制限は、土地利用に関する制限ですので、憲法上の論点が出てきます。
土地利用に関しては、政策的規制という事であり、ほぼ立法裁量が許されますから、合理性の認められる墓地埋葬法に由来するこの条例が憲法違反であるなどという事は申しませんが、この点に関し、簡単に憲法との関係をご説明願います。
そこで、合憲であるとしても、議案説明では、国の指針として「単に@公衆衛生上の規制にとどまらず、その他の公共の福祉の見地からも制約を加え」得ると考え、「A墓地の永続性の確保」及び「B広域的需給バランスの確保」「周辺の生活環境との調和等」を規制の根拠としていますので、これに関連してご質問いたします。
まず、@ですと、公衆衛生といえば、墓地に土葬することを念頭においてのことですから、昨年本市で何件の土葬の事例があったか、お尋ねします。極めてまれとか、全く土葬の事例がないという事であれば、そもそも公衆衛生という事が考慮の範囲外に出てしまうが、この点は如何でしょうか。
次にAですが、永代使用料を支払い、子々孫々に至るまで墓地を利用しようと考えるのが、素直な市民感情です。
しかし、永代使用料と言う「権利」は、民法上に定めもありませんから、所謂「無名契約」でしょうか、また永代使用と言う事で、賃貸借契約のように、将来返還の約束がありませんから、民法上の「賃貸借契約」に含まれると言い切ることもできません。
しかし、この権利は、土地所有者との債権的契約ですので、対抗要件が備わる事もないでしょうから、土地所有者が変わってしまいますと、第三取得者に対し、自分の権利を主張できないではないか、と考えますので、果たして「墓地の永続性の確保ができるか、疑問が生じます。この点いかがお考えでしょうか。
そこで、Bの点ですが、広域的需給バランスと言うと、近隣市との関係と、既設業者と言うか、宗教法人の既得権を保護する事にならないか、特に昨年あたり、駆け込みで許可を取得した宗教法人の利益を守るため、今回の条例制定がなされたなどと言う、穿った考え方をする方もお出でではないかと心配しますので、この際明確な答弁をしておいて頂きたいと考えます。やっぱり、これは執行部を支える、質問となりますね。
第2 議案第72号について
次に、緑水会を代表して、議案72号加茂地区運動広場用地取得に関して質問いたします。
加茂地区運動広場の建設は、本市おける最後の運動広場と言う事で、加茂の市民にとっても永年の課題が漸く完成しようとする状況と言う事で、一日も早い完成が望まれることは当然であり、緑水会としても一日も早い完成を望んでいます。
特に、人口減少地域として、まごまごしているとこの運動広場が十分使用される事がなく、増加しつつある猪と狸の運動場となってしまうのではないか、と心配します。冗談はともかく、早期完成と言うことは執行部に強く要求しておきます。
そこで伺いますが、今回の仮契約を結んだ予定地は、仄聞すると3箇所目という事のようです。最初、飯給地区の河川改修の関係で候補に上がった土地は、一部地権者の反対で撤回したと言う事ですが、計画を撤回するほどの強い反対があったということでしょうか。一部反対があれば計画を断念するということでは、今回の予定地でも心配があります。
@ 先ず、今回の予定地は、市長さんの決断と伺っていますが、このように伺っていてよろしいものでしょうか。簡単に経過をお伺いします。
A 次に、今回では、約8割の用地について仮契約をした、議案説明では「相続手続き等の個別的事由」と聞いていたのですが、その後の状況を伺っていますと、土地の単価が安いと言う事で一部仮契約ができていないとも聞いておりますので、伺いますが、その様な事実はあるのか、お答え願います。
最初の飯給の地区での反対があったのは、平成13年と伺っていますが、今回も一部地権者が単価が安いと言うことで仮契約に至らないと言うことは、もう少し強く言うと「本件運動用地に対し、反対である」という事と実質上同じではないか、と考えます。
一部地権者のみの値段を引き上げるなどと言うことは絶対許せませんので、仮に契約に応じていただけないとなると、姉崎森林公園と同じく、虫食い状態で工事を始めるなどと言う事になりはしないか、と考えます。
平成13年から既に7年経過しているが、土地収用などという事になれば、あっと言う間に10年経ってしまうのではないか。法的には可能であるとしても、これでは飯給での反対よりも事業遂行に大きな支障となると考えるが、答弁願います。
B ところで、今回会派でもっと大きな問題であると考えているのは、約2.2ヘクタール146,164,128円単価6,587円、一反歩658万円を越える金額です。この単価がどうして出てきたかと言えば、不動産鑑定をし、圏央道の買収価額等を参考した、という事でしょうが、首都圏の幹線道路とか、を参照して近隣時価を大きく上回る買収価額と言うのは、市民から見たら途轍もない金額だと考えます。
最近の公共用地としては、戸田コミの用地もあるでしょうが、また18日の討論のとき何故加茂運動公園の用地取得費に対して議案質疑をしたのか、お時間を頂いてご説明させていただきます。それはともかく、最近の近隣農地の取引事例をいくつかご紹介してください。
C 不動産鑑定があるということで、時価の十倍もの取得費を呈示して仮契約に至った経過をご説明下さい。またこの値段は、地域住民から要望などありましたか、お伺いします。
D 先にも述べましたが、この十倍の値段を出しても一部地権者が「安い」と言うのであれば、これはもう本件運動広場の事業に反対していると解釈しても良いのではないかと考えます。またこのまま計画を進めても、虫食いになるなら、最初の飯給地区に変更して地元との協議に入っても良いのではないか、お伺いします。
最後に、意見となりますが、加茂地区に運動公園を作るのであれば、加茂中学の隣接地に作れば、より多くの利用ができると考えます。
いずれにしても一日も早い完成をさせるには、今回の仮契約を取りやめ、全ての地権者からの同意が得られてから、用地の取得契約をすべきと思います。
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