2025年01月24日

超簡単!早くて安くできる甘酒のつくり方

 10年以上前のことですが、所ジョージの「ためしてガッテン」でしたかね、イモのでんぷんは40℃から60℃までゆっくりと温度を上げることでイモの甘みが増すとのヒントを頂きました。それで電子レンジでもイモをゆっくりと時間をかけて過熱すれば焼き芋ができると確信し何度か電子レンジでの「実験」を繰り返しました。結局電子レンジの「解凍」を使うことで、「電子レンジで焼き芋」のつくり方が完成しました。

 これを自分のブログ「喜怒哀楽」に発表したところ、だいぶ経って知人から「電子レンジで焼き芋」のブログがトップに出ているよと言われ、びっくりしたことがあります。嬉しいことですが、知らない間に多くの人が僕のブログで何かしらの「生活改善」に役立っていたのです。
その後、この電子レンジでの焼き芋のつくり方が方々で紹介され、様々なバリエーションが出てきました。しかし、残念なことですが何故イモのでんぷんが甘くなるのか、その科学的な理由付けの紹介はなく「ためしてガッテン」に続く教育効果など感じられません。ネットで紹介される亜種はブログからの引用であることも紹介されず単なる結論の「知識伝達」だけになっていました。

 科学的な原理原則、論理的結論などは豊かな社会生活をする上でも必要不可欠なのですが、原理原則を吹っ飛ばし結論だけを模倣し「電子レンジで焼き芋」ができればよいと考えるなら非常に残念なことです。料理研究者とも思える人の投稿などを拝見すると綺麗な写真を入れたりしてご自分の広告費を稼ぐことしか考えていないようです。この様な科学に関する無知蒙昧から地球温暖化の問題などにも無関心となるのでしょう。《所詮、自分の知識も先人たちの真理探究の成果をどれほど真似することができたのか、結局それに尽きる》(『飲水資源』文芸社 はしがき)のですが、ご自分の生活の中でエネルギー節約型の生活などはどこかに置き忘れてしまうようです。特に人様のお役に立った訳でもないのに大儲けをしている単なる「金持ち」は次世代の地球人のことなど考えもせずに「わが亡き後に洪水は来たれ」と贅沢三昧の生活をしていると思います。

 人様の悪口を叩いていても印象を悪くするだけで何の得にもなりませんが、今日は「電子レンジで焼き芋」よりも格段に「革命的」なレシピのご紹介です。本日ネットで同じことを説明しているものがあるか、探しましたが見つかりませんでしたので、今のところ特許を取るつもりもないのでご紹介します。
 「超かんたん甘酒のつくり方」です。ここでもなぜ米が甘くなるのか、甘酒は「飲む点滴」などと言われているのですが、この原理原則からの「理屈」が大切です。

 人間が脳で考えたことが電気信号となり体中の筋肉に指令を出して人間は生命を維持しています。このエネルギーとなるのは、糖なのです。このエネルギーとなる糖がミトコンドリアのなかでゆっくりと化学変化を起こし、アデノシン三燐酸(ATP)になるのです。

 食事のとき摂取したでんぷんが胃腸で分解され糖となって血液中を回り、体内でエネルギーを必要とする組織に運ばれます。しかし、お米などは胃腸で消化されなければ必要なエネルギーである糖にはなれません。仮に、この胃腸が衰弱したりして働きが悪ければ人間の生命維持は不可能となります。そこで消化器官が機能不全ならば外部から血液中に糖分を補給する必要があり、例えば点滴液の中に糖分を加えれば体内でエネルギーを必要とする組織に糖分が送られます。

 もうお分かりですよね。甘酒は麹菌によってデンプンが糖に変えられていますから、甘酒を飲めば弱っている胃腸に負担をかけずに体の各組織に必要な糖分が送られるのです。しかしこれも取りすぎは血液中の糖分が多くなりますので、糖尿病の方は要注意です。 それでは本題「超簡単な甘酒のつくり方」をご指南します。作り方は簡単ですが、説明は理屈がつきものですから、長くなりますがご容赦ください。

1、昔のつくり方  家では、毎年末の味噌づくりのとき麹屋に米を升で2斗(30kg)渡しますと麹屋は2斗(15s)の麹をもってきます。代  
 金はいりません。麹屋は米の二倍の量の麹を作り半分を販売しますから十分な儲けが出ているのです。母親は釜で沸かした湯(50℃〜60℃)  
 の中にドバっと麹を入れ、竈の火を弱くして、一晩保温します。昔ですとこの温度管理(40℃〜60℃)が大変で低すぎると甘くならず(アル 
 コール発酵)高すぎると麹菌が死滅します。そこで炬燵の中で寝かしたりしていました。子供の好きな甘い飲み物となるのですが、僕は麹に  
 なっていた米の粒が苦手でした。甘酒の中にどうして米の粒があるのか長い事理解できませんでした。
2、最近は、昔のように麹とお湯だけでなく、甘酒発酵で糖の原料となるお粥で甘酒を作るようになっています。この方法ですと甘さも格段に 
 増加し、さらにお得なことに高額な麹が少なくて済むのです。これは、どういう事かと言うと甘酒発酵が進行する状況を想像すれば、昔のつ
 くり方ですと麹は粒粒のお米の表面に麹菌が付いています。この麹菌がお米のデンプンに作用して甘酒発酵する、いわば麹がお米を取り巻き
 麹はお米の表面しか糖化できないのに対し、お粥では糖の原料となるデンプンが麹を取り巻いている、と考えていただければ分かりやすいで
 しょう。米に取りついた麹菌が米の表面で甘酒発酵するのに対し、お粥ではデンプンが濡れ手の粟の状態で麹菌に取りついていますから、甘  
 酒発酵が急速に進みます。
3、この様に考えて、年末から数回、1合のお米に対し水4〜5カップでお粥を作り、さらに昔の甘酒で苦手だったお粥の米粒をつぶしてから麹 
 を加えて8時間発酵させました。これで十分甘い甘酒ができました。これを繰り返していた時、「あっ!」と思いつきました。甘酒醗酵の出発
 点を忘れていたのです。
 お粥は細かいデンプンの粒子と麹の反応です。それをさせるために緩いお粥を作っていたのです。「まてよ?」だったら米が最初から細かい 
 ならお粥を作る手間もかからないことに気が付きました。もう答えが出ましたが、そうです!デンプンの「原料」となる粒粒の米は必要な
 く、米を粉末にした「米粉がある!」のではないか、と言うことです。
4、米粉で甘酒造りは、もっと革命的に飛躍しました。400CCの水に100グラムの米粉をとかし、さらに4〜5倍の水で増量してから過熱し、数分 
 経てば正に障子紙を貼るときのノリそのものとなります。このノリの温度が60℃(温度計がなければ指を入れて我慢できる熱さ程度)に下が
 ったところで麹を100g入れてかき回し麹をノリが取り囲む状態を作ります。今まで醗酵時間を8時間にセットしていたのですが、このノリと 
 麹の混ざり具合から4時間の醗酵時間であまーい甘酒が完成します。

5,この米粉による甘酒のつくり方に関してのSNSを見る限り、同じレシピはどこにもありませんでした。この方法によれば1ℓの甘酒はスー
 パーで大体800円から千円で売っていますが、原料単価は、細かい計算はしていませんが100円程度です。しかも昔の各駅停車が「こだま」に
 なり、さらにこの米粉による方法ならば夢の超特急で米粒の少ない飲みやすい甘酒が完成します。この方法で作れば、甘酒業者の出荷価額は
 大幅に引き下げられるはずです。そうでなければ業者は人様の智慧を借用して「暴利を貪る」こととなります。最後に単価の高い麹、真っ白
 で綺麗な麹(200g400円程度)はである必要はなく、米の粒子が残っている安い生麹(1k500円程度)で十分です。業務スーパーで売っている
 はずです。因みにSNSで紹介されている簡単な甘酒のつくり方では、業者により高額な麹の袋が写されていますのでご注意ください。







posted by やすかね at 16:42| 千葉 ☁| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする