21世紀の政治・経済を操り、独占的利益を得ている人種は、いるのでしょうか、いるとしたらどこにいるのでしょうか。世界のどこかで始まった一つの出来事がどこで、どう繋がっているか、自分に都合の良い事を論理的に纏める、いわば、牽強付会に進めてみます。結論から言えば、刑事件も国際紛争でも最終的に何か事件が起きた場合最初に考える事は、常に誰が得をしているか、即ち『犯行の動機』です。歴史から学ぶ事が大切ですが、参考にしすぎるという事はありません。
先日、史上最短45日でイギリス、トラス首相が辞任し、79代首相にインド系二世のスナク氏が新たに選出されました。聞くところによりますと、イギリスでは、4年間で6人目の首相だそうで、議院内閣制のもろさが出たかもしれません。
スナク氏が首相となると、世界中は、同氏の妻の素性に関心が及び、スマホにそれに関する情報が勝手に飛び込んできます。
スナク氏の妻アクシャタ氏は、数千億円の資産を持つ、インドのビルゲイツとも言われる大富豪ナラヤナ・ムルテイ氏の娘と報道されています。妻のアクシャタ氏はイギリス外での所得に対し免税されていたようですが、今後は納税の約束をしたようです。
民主主義の観点から考えれば、今のイギリスの苦境の原因がどこにあるか、これからのイギリスがどこに進んでゆくか、政治が国民生活の充実を最大の目的と考えるなら、関心事は今後の政策がどうなるか考えるのが本筋のはずです。しかし、英国民を含めた世界の関心事は、新首相のスキャンダルのような報道に力点を置いているようです。本来、イギリスではウクライナ戦争にアメリカと共に莫大な軍事援助を行い、傾いているイギリスの経済をどう回復するか、これがパパラッチのような報道より、重視されるべきでしょうが、自由な民主主義国での報道は興味本位に流れます。
ところで、ウクライナ戦争からウクライナの穀物が輸出できず世界中で食料危機となっていることが、国際的関心事となっています。アメリカで高金利の中、インフレが進行し、国民生活が困難になっているようです。逆に低金利の日本では円安で、輸入品の値上がりで国民生活は困難に直面し、政府は電気ガソリンなどの高騰に対し、財政出動するようです。1万円札の増刷は、本来インフレを招くのですが、国の財政赤字が千兆円を超えても輪転機を廻し、円をジャブジャブばら撒き円安の原因をつくりだしています。これでは国民生活が一層困窮を増すと思います。
今世界中が、政治(力の所在)・経済(資産)で強くつながり、どこかで発生した政治・経済の変動が、瞬時に世界中に広がってきます。
今年というか、ウクライナ周辺の地域は、数百年前から様々な歴史的経緯があり、日本の戦国時代を思い浮かべれば解決の方法も大体の想像がつきますが、歴史的にウクライナ周辺地域では、武力を持つ国により分割併合されてきました。武力を用いない唯一の「解決」がフルチショフがウクライナとの話し合いで、現在ロシアが併合した地域をウクライナに譲り渡したとされています。ロシア系住民との独立問題を解決する必要があったようですが、プーチンはこの歴史的「解決」が許せないようです。
武力と平和の関係を簡単に理解しようとするとき、日本の戦国時代から徳川幕府が成立した経緯です。最大の武力を持つ徳川幕府が、武力を誇示する事で日本全国三百藩の間に存在した潜在的国内紛争を260年の長き間防止してきました。徳川時代に成立した平和は、日本の手工業発展、江戸の文化を発展させました。戦後70年以上の平和国家日本のアニメが世界を席巻しているように、江戸時代の世界に誇れる日本画はヨーロッパ芸術に大きな影響を与えました。
この徳川幕府の武力も琉球貿易で莫大な利益を得た薩摩が、財力を背景に諸外国から輸入した強力な武器で武装した薩長連合などで、国内が混乱しました。幕末の指導者達は、アヘン戦争の結末などから、徳川幕府末期の国内紛争を機に諸外国が日本を植民地にしかねないとの危機感を共有する事で江戸城無血開城から明治政府が誕生しました。
この様に日本だけでなく、世界史を概観しても、人間は常に他民族を武力で支配してきました。仮に国際連合が江戸幕府のように世界平和を実現して地球上の紛争を防止できるなら、素晴らしいことですが、いまの国連には何らの力もありませんから、人間の支配欲が無くならない以上、地球のどこかでの紛争はその地域での武力で解決する外ありません。無関係の地域が利権を得ようと下手に介入すべきではありません。
その意味でウクライナの領土に関する歴史的経緯を学び、イギリス・アメリカなどがウクライナに武器援助しなければ紛争は一週間ほどで終結し、ウクライナの都市があれほど破壊されることもなく、多数の人命が救われ、戦後復興も間もなく始まった事でしょう。NATOに加盟しているドイツもロシアに対する経済制裁に迎合し、ロシアから逆襲を受け、ガス供給の制限を受け、ドイツも寒い冬を向かえることで、国民生活は大変です。
日本の政府・マスコミなども紛争の真実を伝えず、アメリカの手先となりウクライナに経済援助し、ロシアには経済的制裁を科したことで、シベリアの天然ガス開発で三菱商事などが大きな損害を受けている外、木材・漁業取引で大きな損失を受けています。日本がこれまでウクライナとどれ程の関係を持ってきたのかを考えれば、ウクライナ援助など本来不要です。何よりも大切な事は、イギリス・アメリカが軍事援助をしなければ、戦争は早期に終結し、ウクライナの穀物は滞ることなくアフリカなどの輸出され続けていたことは明らかです。
しかし、西側マスコミは、ウクライナだけでなく世界中で常にどこかで毎日繰り返されている女子供の泣き叫ぶ情緒的報道をウクライナに集中することで、国民の冷静で論理的な思考を奪う事に血眼になっています。政府・マスコミは、戦争を長引かせ、より多くの戦争被害者を発生させている一つの原因でしょう。
世界的な穀物不足エネルギー不足による価格高騰から莫大な利益を得ている者が誰かも詳しい報道はされません。事件でも犯罪でも常に背後に動機が隠されています。この利益を得ている者が戦争の仕掛け人であることは明白です。
ウクライナ戦争で日本の穀物の相場も上昇していますが、日本が食料を輸入しているアメリカで穀物の生産コストが上昇したのでしょうか、マスコミではアメリカで急激な『インフレ』が進んでいるなどと穀物の値上げの原因をインフレだと報道していますが、インフレは紙幣の増刷が根本問題であることは、世界の常識です。
高金利のアメリカでドルの発行が制限される中で『インフレ』が進行していると報道されている一方、ゼロ金利の日本で円が乱発されても未だ『インフレ』ではありません。労働者の賃金が上がり、原材料などの品不足による需要と供給から物の値段が上がったとしても、これは市場経済の仕組みから生ずる当然の問題でインフレではありません。
ウククライナの穀物が輸出できず、世界中で穀物不足が進み、需給が逼迫して穀物相場が急騰した今、日本は価格が上昇したアメリカの穀物を買わされています。需給逼迫のもう一つの原因として中国が大量の穀物をアメリカから輸入しているといわれていますが、中国とすればこの輸入はアメリカとの貿易協定の履行を迫られて穀物を数千億ドル購入しているのだというでしょう。
この様に世界中の政治的・経済的混乱は、もとを正せばアメリカ・イギリスがウクライナに武器援助を行って、戦争を長引かせ、アメリカの穀物メジャーのぼろ儲けを許しているのです。勿論アメリカの軍需産業は、武器を幾ら作っても足りないでしょうから、ウクライナ戦争万々歳でしょう。
日本のマスコミなども報道が一方的であることは明らかです。人間社会の歴史を考え、人間の本性が他者を支配する事にあり、紛争解決の最後には武力(国家の刑罰)が控えている事を理解できれば、この長引いているウクライナ戦争を継続させているのは、外国からの武器援助である事は小学生でも分かる事となっています。王様が裸であることを最初に言い出したのは子供でした。偏見のある常識は大きな過ちのもとです。