2022年03月03日

世界秩序の『 正義』が変わる

ロシアのウクライナ侵攻は、国連総会での決議がされた様に全世界から非難を浴びています。
これに対し昨日、日本語堪能なロシア大使がテレビ出演し、キャスターに要旨『大量破壊兵器があるとしてイランを攻め滅ぼし、リビアのカダフィ大佐を殺したとき、日本のテレビがアメリカの大使を呼びつけたことがあるか。』と質問していました。キャスターは『だからアメリカは反省している。』逆に『ロシアは自分の思い通りにならなかったら、武力攻撃していいのか。』とロシア大使の発言を攻撃していました。

2001年9.11の貿易センタービルが破壊されて以来、アメリカは国際テロ組織撲滅を目指し、世界の憲兵として軍事力を行使してきました。実は、9.11事件勃発の前、プーチンはチェチェンに国際テロ組織がある、テロを防ぐため国際的連帯が必要だと、世界に向けて発信しました。

しかし、アメリカは「チェチェンはロシアの国内問題だ」とプーチンの提案を無視し、その後ニューヨークの貿易センタービルが破壊されました。プーチンの情報提供に対し、連帯してテロ組織の撲滅ができていれば、9・11は防げたかもしれません。

ベトナム戦争の是非を論ずるまでもなく、アメリカは、イランを滅ぼし、リビアに混乱を持ち込み、2014年カイザル大統領を擁立してアフガニスタンに傀儡政権を作り、その後ガーニ大統領に政権が移り、アメリカはこの政権を支援してきましたが、昨年アメリカはアフガニスタンから撤退し、今アフガニスタンではタリバン政権が、イスラムの教えに従ったという基本的人権無視の政策を実行しているようです。イスラム教は本来的に平和宗教ですから、残念です。

アメリカがアフガンから撤退し、世界の憲兵としてのアメリカが弱体化を示したものとなり、ロシアはその間隙を突いたと考えています。
ロシアとウクライナなどのミンスク議定書を巡りアメリカ・西欧とロシアは異なった見解を述べているようですが、ロシアの主張は国連で大差をつけられて否定されました。多数決原理で国際紛争の是非を決めるようになってきたことは、国際的民主主義の発展でしょうか。

ところで、第二次大戦以後の国際秩序の『正義』も間違いなく「武力」でした。パワーイズ・ライトに基づく秩序維持は日本の戦国時代を考えれば分かり易いところですが、有史以来人類の「正義」でした。

信長が、美濃が欲しいと考え美濃を占領すれば、信長に降伏しなかった美濃の齋藤義龍は殺され、殺した信長が正義を実現したことになっています。浅井長政も信長に殺されています。この戦国時代を纏めあげ、江戸幕府を開いた徳川家康とその後の幕府は、日本における憲兵として諸藩同士の戦を禁止し、徳川幕府は最強の武力を背景に260年間に及び日本の平和を維持してきました。この平和な江戸時代、日本の文化は大いに発展しました。人類の進歩に平和は、不可欠です。

話は飛びますが、今千葉市美術館で『世界を魅了した浮世絵』展が開催され、『ジャポニズム』が西洋画家に大きな影響を与えたことを紹介しています。1500円払って入館すればすぐわかりますが、浮世絵の構図が西洋美術に大きな影響を与えたことが容易に理解できます。『SIGNATURE』3月号で作家の伊集院静も「ゴッホは近代の人であるが、何かの派に所属していない。美術史家、研究者たちが、この画家を無所属の存在にしたのは、彼の作品の強烈な個性によるのだろう。彼が影響を受けた派、もしくはグループはないが、一つだけあるとすれば、それはジャポン、日本である。それも江戸時代の浮世絵に見る大胆な構図である。」と浮世絵の世界に与えた影響力を絶賛しています。
  
要するに、260年の徳川の平和は日本の学述・芸術に大きな発展を齎し、よくわかりませんが、伊藤若冲の鶏の画は、若冲自身「おれの絵は1000年後に理解される」と豪語していたようですが、若冲の鶏の画を拡大してゆくと、今のデジタルの世界で初めてわかるように1ミリ四方に数十の点が異なった色で描かれているようです。

平和は、世界に誇れる芸術を発展させていたのです。また、戦後の80年足らずの平和の間に、日本は食生活から漫画など世界に誇れる文化を発展させ、学術芸術を世界に発信しています。

この様に考えて来ますと、民主主義か独裁か、何れが優れているか、わかりませんが、最高権力者により社会秩序が維持されているとき、人間が本来持っている可能性が大きく発展することがわかります。

アメリカが世界の憲兵の役割を喪失し、ロシアがその間隙を乗って、武力で他国支配しようとすることは、SNSが発展し世界のできごとが瞬く間に地球を一周する時代では、国連総会決議に見られるように、もはや許されないことが明らかとなりました。これはプーチンの誤算だったと思います。

エドワード・ルトワックが『戦争にチャンスを与えよ』の中で「大国は小国に勝てない」と論破していました。大国と戦う弱小国に周りからの援助があるからだと説明しています。これまで、アメリカの横暴に黙っていた世界も、今回のロシアの横暴に対して世界中が非難する時代になったことは、世界の「戦国時代」が克服されつつあるように思います。

SNSを通じて、世界の正義感に大きな変化が起こっているようです。問題は、国連が江戸の平和を築いた徳川幕府になれるかということでしょうかね。



posted by やすかね at 12:27| 千葉 🌁| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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