2020年06月26日

悪徳業者と弁護士のタッグに裁判所が関与する?

 今年に入ってから十数年前の依頼者からの相談が相次ぎました。10年以上前に任意整理の依頼を受け、殆どの債権者は、利息制限法に引き直し、残金の分割弁済で和解が成立したのですが、絶対和解しない業者がありました。和解決裂ということで支払いを止めていると、簡易裁判所から訴状が届きます。裁判所は、弁護士が介入して支払いが止まっているのは、お互いの信頼関係で、法的意味がないからと、和解にも応じなかった業者の言い分を鵜呑みにして暴利ともいえる高利の約定を正当とした判決をカエルの面で書いてきます。
 弁護士になりたての頃、千葉簡裁の期日簿には、商工ファンドを原告とする貸金請求事件が同時刻10時から被告の異なる30件ほどが記載されていました。殆どの被告が欠席しますので、裁判所は書面主義で債務者乃至は保証人のハンコがペタペタ押された「証拠書類」で商工ファンドの勝訴判決を乱発していていたのです。
裁判所は商工ファンドの言い分を全て認めた判決を出して、これが確定します。21世紀になっても簡易裁判所は金貸しの手先となり、貧乏人をイジメ続けてきました。商工ファンドの事件が大きな社会問題となり、裁判所も少し変わりました。
しかし、前述の絶対和解しない業者は、未だに健在で異なる債権回収方法を取っています。弁護士からの過払い請求で「倒産」の憂き目を見たサラ金業者は、民事再生法を申請し過払い債務を免れるだけでなく、会社の小口貸付債権を何百何千とまとめ、例えば合計100万円の債権も千円程度で新たに設立した会社に叩売ります。
 債権を買い受けた新会社は、商工ファンドのように簡易裁判所を使って債務者に訴えを提起し、勝訴判決を得ます。しかし直ぐには請求しません。千円で買った100万円の債権に裁判所の判決が付き、訴訟費用と遅延損害金がいていますから、そのままにしておけば利息制限法を超える年20%以上の割合で債権は年々増殖してゆくのです。5年で200万円、10年で300万円に膨れ上がります。尤も10年を経過してしまいますと時効消滅しますので、10年を経過する前に動き出します。千円が200万円300万円に化けるのです。
 多分業者は、弁護士職権で請求できる職務上の請求用紙(弁護士会から350円で取得)を使って住民票を請求して、債務者の住所を把握し、3倍に膨れ上がった法外な請求を突然行うのです。ここには業者に雇われた弁護士が弁護士会の請求用紙を大量に購入して業者に横流ししていることでしょう。
お金持ちは、今、ゼロ金利の社会で資産の運用で悩んでいる人もいるでしょうが、現在のヤバイ業者は、ただ同然買い叩いた債権の額面での請求に加え、裁判所の認めた年20%以上の高利回りの「優良債権」を10年近く寝かしておいて、住所を把握している債務者に突然請求を行い、給与の差押え、自宅を訪問しての取立てなど、弱い立場の債務者をいたぶっているのです。
 そこに「悪徳弁護士」が介入していることは明らかでしょう。この様な不正義を許せますか。手始めに、住民票で債務者を追いかけている弁護士の職権乱用を止めさせることがいま求められていると考えます。


posted by やすかね at 11:36| 千葉 🌁| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月25日

サラ金事件の歴史

長いことご無沙汰してしまいました。今日ブログの閲覧の解析を拝見しましたが、現在もフォローしてくださっている多くの方々が存在していることに感謝して、また頑張ります。今日は、自分の弁護士人生の初期から書いてみます。どうも年を取ったようです。(古希翁)

平成元年の司法修習生から稼業弁護士30年です。桁違いに報酬を得られた事件もありますが、人様のお役に立てた事件は、クレサラ事件です。新米の時は、サラ金被害者とは金を貸して返してもらえなくなった武富士などであろうか、などと真逆の知識でした。間もなく、金貸しの利息が途轍もなくアコギなものであることを知るに至り、自分の正義感を燃やしてサラ金業者と戦う毎日となりました。
平成の初期、多くの弁護士がサラ金問題は「弁護士としてはやりたくない事件」と考えていたようです。『僕のところは、紹介者のある事件だけ』とか『着手金も取れないサラ金事件はやらない。』とうそぶく弁護士が多い中で、「紹介者が必要」と言いながら、タウンページに事務所の広告を載せる事務所、新聞広告でサラ金事件を漁る事務所もありました。
 しかし、自分の弁護士人生の中で、クレサラ事件は多数の依頼者から感謝され、また事務所経営の大きな力ともなりました。
普通に考えれば、借金を返せない依頼者が着手金などまともに払えないのは明らかです。平成初期、15万円の給料の人が、給与を超える借金を毎月返済していたのです。生活しているのになぜ給与を超える返済を継続できたか、業者の貸付限度額内で借り入れ返済を繰り返していたのです。
全部の業者の借入限度枠がなくなると、債務者の生命保険を当てにする業者もありましたが、債務者の選択肢は自己破産しかありませんから、弁護士に依頼します。
弁護士が自己破産の依頼を受けますと最初にすることは、サラ金業者に受任通知を出し、業者からの訪問・電話をストップさせ、債務者には貧しいながらも平穏な生活が戻ります。  
そこで、毎月給与以上の返済を繰り返していた債務者はサラ金の請求から解放され、借金返済がないなら毎月1万円の分割で弁護士費用を捻出できるのです。
債務者の経済的信用はゼロですから、最後まで弁護士費用の分割弁済ができるか、問題は残りますが、これまで数百件、ひょっとすると千件を超えているか分かりませんが、債務整理・自己破産事件で分割弁済を滞った人は数えるほどです。債務者は、高利の返済を毎月払い続けた故の破産なのです。借金返済は、債務者の生活の一部となっており、債務者は善意の貧しい人々の集団なのです。
当時、サラ金業に取引履歴を開示させることができませんでしたので、断片的な計算書から取引全体を想定して、これを利息制限法に引き直し、サラ金業者に過払いの返還訴訟を繰り返しました。
現在では、受任通知を出せばサラ金業者から「過払いは〇〇円です。」と自ら頭を出して殴られているのが通常です。過払いをラジオ・テレビで集めている司法書士・弁護士は差し詰め、これまでクレサラで戦ってきた弁護士たちの成果の上で、債務者の善意で積み立てられた過払いを集めている連中と言ったら「悪口」を言っていると非難されるのでしょうかね。
クレサラ問題も30年以上経過し、問題点が解決され、貧しく善良な人々が安心して、消費者金融を利用できているのでしょうか。令和となっても問題が残っています。これは、次回の話題とします。
posted by やすかね at 16:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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