2017年04月10日

なぜ、司法試験合格者を増大させたか

先ほど、弁護士会のメーリングリストに配信したものです。要点は、司法試験合格者が一挙に増大したことから、弁護士の収入が激減して、その結果優秀な人材も司法試験を目指すこともなく、外の業界に流れてしまっている。
そこで、わが千葉県弁護士会の会長が弁護士会の内部での議論もしないまま、日弁連に司法試験号合格者を減少するように関係各機関に申入れをすべきである、と日弁連に協議を申し入れたようです。そして、千葉県弁護士会との協議もできないなら、千葉県弁護士会は司法修習生の受入を減らす、という強行姿勢を明らかにしたことで、今弁護士会の「場外乱闘」が始ったということです。
この場外乱闘で守川弁護士が、問題の本質から外れたと思われであろう、会長の行動は手続き違反だと言う趣旨のメールを配信したので、僕は、問題はそんなチンケな話しではない、もっと大所高所から考えろ、と怒りをあらわにしたところです。
まぁ、弁護士が増えすぎてしまった後始末は、弁護士を公務員にして、生活保障をさせれば、弁護士自治などと言う権力にとっての目の上のタンコブもなくなろうというものです。その方が、お金儲を最優先する悪徳弁護士を排除できるでしょうかね。
何れにしても、弁護士の力量が大きく下がり、国民の要望に応えられなくなれば、弁護士会という自治権を持つ「老兵」となった職業団体は消え去るのみです。

ヤスカネです。手続きが問題かのような、話をしていますが、要は何故権力側が、民事訴訟事件が増大するなどというデタラメなことを言いつつ、司法試験合格者を増員しきてきたかでしょう。これは、日弁連が、「社会的正義の実現と言う使命」について、常に権力との関係を考えながら行動してこなかったことに原因があるのです。
ですから、今増員に反対だ、話し合いもしなければ、司法修習生の受入を断ると言うような「社会的弱者」を人質にとっての議論は、噴飯者なのです。既に司法試験を目指そうとする有能な若者が激減してしまっては、この後は、司法試験も行政書士試験も司法書士も全て同レベルの試験というか、区別をなくして全て「弁護士」にするという方向が見えないのですかね。
もっと大上段に言えば、我が国の資本家と労働者の二極対立と言うか、資本化とエリート対一般国民で我が国を動かしていこうとする流れでしょう。
エリートはわが子を幼少期から良い教育を施し、一般国民は「ゆとり教育」などといういい加減な教育をして、社会のエリートにはさせないという、国家戦略です。
ですから、周りを見てください。財力にものを言わせれば、少々お勉強ができれば「立派な弁護士」は直ぐ誕生します。「法科大学院バンザイ」などとオチョクッタブログを書いてありますので、ご覧下さい。
良いですか、裁判官もお坊さんも学校の先生も歌舞伎俳優もタレントも沢山の世襲タレが出ているではありませんか。幼少期から教育をされれば、ゴルフだって、一流になれるのです。
逆に15歳になっては手遅れなのです。従って15歳から22歳頃までの人間の成長期には、つまらない教育などしないでしっかりと技術を見につけた「職人になれ」というのが、社会的エリートの言い分なのです。
何故、角栄が待たれているか、差別された民衆の集合的無意識なのです。
そこで私が一番力説したのは、フライングすれば良い学校に入学できる制度でなく、本物の優秀な子どもを社会の指導者とできるような教育制度を確立させて、社会の不平等を何処まで改善できるか、ということが憲法の立場であると言うことです。
posted by やすかね at 17:51| 千葉 | Comment(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月08日

角栄の凄さと国民生活

1935年生れで、法政大学院で政治学を学んだ後、衆議院事務局で働き、園田直副議長、前尾繁三郎議長の秘書官などを歴任した後、92年衆議院事務局退職後、参議院議員などを務めた平野貞夫先生と会食の機会がありました。官僚時代、政治の裏表を知りぬき、宮沢喜一元首相からは「永田町のなまず」と呼ばれていたそうです。写真を拝見するとなるほど宮沢喜一は上手いことを言ったものだと感心しています。
それはともかく、平野先生から『角栄凄みと弱さの実像』(KKベストセラーズ)頂き、拝読しました。
これまで、私は、さしたる具体例もないまま「国民主権」は「官僚主権だ」などと言ってきたのですが、この本は、具体例を出しながらわが国の実体を解明しています。
そのなかで、印象に残ったところは、実は、自由民主党の中で、官僚と国民目線の議員との確執があり、角栄は最後には、宮沢的な官僚グループに足をすくわれたようです。

角栄は、「政治は生活」のためにあると考え、29歳で初当選してから39歳で郵政大臣になるまでの10年間で33本の議員立法を通し、そのどの法律も国民の生活に根ざしたものであるということに驚きました。憲法9条についてもこの平和憲法は変わることはない、と断言していたようです。
一方、岸信介が満州でやっていた所業にも触れています。イギリスは、中国から紅茶などの輸入超過に対して売るものがなかったことから、中国にアヘンを売りさばき、挙句には植民地のインドの兵隊を中国に送り、悪名高いアヘン戦争を引起こしたのですが、日本も同様のことをやっていたことが明らかにされています。
ノンフィクション作家佐野眞一の『阿片王―満州の夜と霧』は、中国人数十万人をアヘンで廃人にした日本の特務機関のトップだった里見甫(ハジメ)が行ったことを中心に「満州国は、関東軍の機密費づくりの巨大な装置」と伝え、そして、満州国開発5カ年計画を策定した岸信介に言わせると、満州国はそもそも「私(岸)の作品」といえるようなものでした。(前出 平野著159頁)そして、昭和17年翼賛選挙で議員となった岸は、佐藤栄作を運び屋に200万円の金が届いた、ということです。A級戦犯でありながら、戦後日本の舵取りをした岸信介がその様な人物であったとは、びっくりしました。

また、宮沢喜一が、平野先生に政権取の相談をし「政治で一番大事なのはどういう考え方か」と聞かれ、先生が「生理現象と病理現象を取り違えないことだ」と答えたところ、宮沢は「まことに恐縮だけれども貴方の学歴は?」ときかれ、言うほどのものではないと言うと、「是非言ってくれと」というので「(医者の家系だった)自分には屈折があり、医学部ではないが、2年間、医学部受験のため医科大学進学コースに行っていたので、そういう理系的な目で政治を見る」と答えた。宮沢は「東大医学部中退ですか。」と言うんです。宮沢は東大法学部の人間が知らない事を知っているのは、東大医学部の人間くらいしかいないという発想なんですね。とまぁ、東大出の石頭はその程度なのでしょうね。お勉強は東大ですが、頭の良さは法政ですね。

要するに、この様なエピソードを交えながら、尋常小学校卒の角栄に親近感を持ちつつ角栄の政治理念を語ってくれています。その流れが、国民の生活にとって重要であると言うことです。
私が纏めるのも変ですが、要するに、国民の代表である議員も議会の権限である立法権を行使せず、官僚の手先となっているのであれば、国民の生活も平和憲法も危険な状態になってしまうと言うことのようです。

同書は、「はじめに」で角栄は、新憲法の中から「人間の差別や地域の格差を解消するために政治活動を始めたのである。そして総理の地位に就き、歴史の中に差別されていた地域(裏日本)や人々に、政治の光を当てようとしたことを「官僚文化」は許さなかったのです。「政治は国民生活である」と叫んだ角栄が葬られてから、日本の官僚天津神の支配は「沖縄」をはじめ日本の過疎地、そして大都市の棄民を「艮」(ウシトラ)に塗り替え、さまざまな格差社会を作りました。と書いてあります。
日本の政治の視点を、官僚と国民生活を守る立場で見るとき、政治家の態度を分析するときに大いに役立ちそうです。そういえば、東京都の都議選を前に、国民目線で選挙協力を進める民進党に離党届を出した議員の理由は、官僚の立場と判断できます。最近にない面白い本です。是非ご一読を
posted by やすかね at 19:16| 千葉 ☔| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月06日

始った、弁護士会の場外乱闘

4日の朝日新聞に千葉県弁護士会長が、日弁連に司法試験合格者の増員反対の趣旨でしょうが、場合によっては千葉県弁護士会が司法修習修生の受け入れ制限をするなどと、激しい申入れをしたことで、4月早々から千葉県弁護士会が騒がしくなってきました。以下は、先ほどMLで会長に対して送付したものです。

何ですかね、常議委員委員会が始まる前に、既に場外乱闘が始まってしまったのか、と驚いている次第です。私は、及川執行部ができるということで、選挙も覚悟して常議委員に立候補して、及川執行部にものを申すべきと考えていたのですが、もう、既に少し出遅れています。

私のブログでは、大変長くなり恐縮しますが、常議員になるにあたっての基本的考え方を開陳し、会長・副会長にも直接ブログの校正前の原稿を送ってあります。そこでは、弁護士会のあるべき姿について原理原則から相当常識的に書いてあります。興味があって、長い文書も読みきれる人は、是非ご覧下さい。

話が飛びますが、アメリカ大統領トランプのことにも喜怒哀楽では触れているのですが、トランプはツイッターで世界の国々を騒がせているのですが、わが千葉県弁護士会では、メーリングリストで弁護士会と日弁連とかを騒がせているのですかね。

先日某先輩とゴルフをした際、「やすかねさん、及川執行部はアイエス執行部だから、どんどん発言してくれ」という趣旨の激励を頂いておりますので、今年の常議委員委員会は、大変な騒ぎになりそうですね。しかし、今回のような場外乱闘は「常識外」の出来事でしたが、「及川執行部がIS執行部」と命名するのも相当の見識と驚いている次第です。

僕は、10年前からブログで「借金漬けの司法修習生」を手始めに弁護士というか司法試験合格者の増員に意見してきて、「法科大学院は不要」とか、少し某先生の年賀状をおちょくった「法科大学院バンザイ」なども書いてありますが、司法修習生の受け入れ制限をするなどという、弁護士会の「テロ行為」は考えも及びませんでしたね。びっくりしています。

今回会長が、常議員会の権限に触れているのも、今後の火種ですかね。

posted by やすかね at 19:07| 千葉 ☁| Comment(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする